オーランド・マジックに18年ぶりの幸運、2022年NBAドラフト1位指名権獲得
NBAでは現地5月17日、ドラフトロッタリー2022がシカゴのマコーミック・プレイスで開催。ロッタリー抽選の結果、今季リーグ29位だったオーランド・マジックが、14%のオッズから全体1位指名を引き当てる幸運に恵まれた。
マジックがドラフト1位指名権を獲得したのは、2004年ドラフトでのドワイト・ハワード以来18年ぶり。球団33年の歴史で4回目となる。
マジックの歴代1位指名
過去にマジックからドラフト1位指名を受けた選手は、3人ともバスケットボール殿堂入り級のスタープレイヤーたち。
- 1992年:シャキール・オニール
- 1993年:クリス・ウェバー
- 2004年:ドワイト・ハワード
マジックは1993年ドラフト当日に1位指名のクリス・ウェバーをトレード放出し、その見返りにゴールデンステイト・ウォリアーズから同年3位指名のペニー・ハーダウェイを獲得した。
過去の1位指名権すべてで大当たり(ハーダウェイのトレード含め)を引き当てたマジックだが、各スター選手との関係は長く続かない。
世代を代表するセンターとなったシャキール・オニールとドワイト・ハワードは、全盛期真っただ中の20代半ばでマジックを離れる決断をし、2人ともロサンゼルス・レイカーズへと移籍。またペニー・ハーダウェイは3年目あたりから膝の怪我に悩まされ続けたため、スーパースターとしてのポジションを早々に失うこととなり、1999年のオフシーズンにフェニックス・サンズへとトレードされた。
▼ペニーは怪我さえなければ…
なおマジックは2012年のドワイト・ハワードのトレードで、数々のドラフトアセットやロールプレイヤーに加え、後にオールスターとなるセンターのニコラ・ブーチェビッチを獲得。そして2021年のトレードデッドラインにブーチェビッチをブルズへと放出し、ウィンデル・カーターJr.、2021年ドラフト1巡目指名権(フランツ・ワグナー)、2023年ドラフト1巡目指名権(トップ4保護付き)という極めて大きい見返りを手にしている。
今季マジックは22勝60敗と引き続き低迷していたが、ワグナー弟やジェイレン・サグス(5位指名)ら将来有望な新人が加入。2年目ガードのコール・アンソニーも16.3得点/5.7アシストを平均と、予想以上の成長を見せた。
2022のトップ・プロスペクト
今年のドラフトで目玉選手とされているのは、ゴンザガ大のチェット・ホルムグレン(センター)、オーバーン大のジャバリ・スミスJr.(パワーフォワード)、デューク大のパオロ・バンケロ(パワーフォワード)の3人だ。
まず今年のプロスペクトで最もポテンシャルが高いとされているのは、ペリメータースキルを持つビッグマンのチェット・ホルムグレン。リム守備に長けており、7フッターとしてはシューティングやパスにも強い。
ホルムグレンはフィジカル面でやや不安があるものの、スキルの面では文句なし。「新世代のパウ・ガソル」もしくは「オフェンス力のあるルディ・ゴベア」的なスター選手へと進化できる可能性を秘めた逸材だ。
オーバーン大のジャバリ・スミスJr.は、どんなロスター構成にも即座にフィットできそうなツーウェイの長身3Pシューター。相性の面で見れば、今のマジックにとって最も適切なピースと言えるかもしれない。
またデューク大のパオロ・バンケロはオン/オフボールの得点力が高く、プレイメイクまでできるパワーフォワード/センター。ポジションレス時代の理想的なビッグマンへと成長するポテンシャルを秘めている。
マジックはホルムグレン/スミスJr./バンケロの3人のうちの誰を指名したとしても、若手コアとの相性は良いはず。再建が大きく前進するだろう。
2022年ドラフトのロッタリー指名順位(1~14位)は以下の通り:
- オーランド・マジック
- オクラホマシティ・サンダー
- ヒューストン・ロケッツ
- サクラメント・キングス
- デトロイト・ピストンズ
- インディアナ・ペイサーズ
- ポートランド・トレイルブレイザーズ
- ニューオーリンズ・ペリカンズ(レイカーズ経由)
- サンアントニオ・スパーズ
- ワシントン・ウィザーズ
- ニューヨーク・ニックス
- オクラホマシティ・サンダー(クリッパーズ経由)
- シャーロット・ホーネッツ
- クリーブランド・キャバリアーズ
2022ドラフト全体2位指名権を獲得したのはオクラホマシティ・サンダー。今年のドラフトでは2位指名の他にも、1巡目の12位と30位を保持している。3位指名はヒューストン・ロケッツ、4位がサクラメント・キングスとなった。
2022年NBAドラフトは、現地6月23日に開催される。
参考記事:「NBA」