【SAS-HOU第5戦】ジノビリとグリーンが決勝プレイ、スパーズがシリーズ王手
サンアントニオ・スパーズが現地9日、本拠地AT&Tセンターで行われたヒューストン・ロケッツとのカンファレンス・セミファイナル第5戦に、オーバータイムに及ぶ死闘の末、110-107で勝利。シリーズを3勝2敗にして、カンファレンス決勝進出に王手をかけた。
第3Qにカワイ・レナードが足首を負傷し、勝負所でエースがフロアに出れないという大ピンチに追い込まれたこの日のスパーズだが、マヌ・ジノビリやダニー・グリーン、パティ・ミルズ、ジョナサン・シモンズらガード陣がステップアップし、チームワークで勝利をつかみ取った。
第4Q中盤の6分間を無得点に抑えられ、残り時間2分30秒で5点ビハインドに陥ったスパーズは、そこからミルズとラマーカス・オルドリッジが連続でショットを決めて、オフェンスのリズムを取り戻すと、残り34秒にはジノビリがドライブからフィンガーロールをねじ込み同点。続く守備ポゼッションでは、シモンズがジェイムス・ハーデンからチャージングをドローしてロケッツにターンオーバーを出させ、試合を延長戦に持ち込む。
オーバータイムは、両チームとも点をあげられないまま3分が経過した後、ロケッツがパトリック・ビバリーのスリーで先手を取るが、対するスパーズはグリーンの7連続得点を含む9-3のランを展開し、残り13秒で3点リードを奪取。
▼グリーンの逆転カウント・ワンスロー
続くロケッツの攻撃では、ミルズがエリック・ゴードンからボールを弾いてジャンプボールに持ち込み、残り時間を削ると、最後はジノビリがハーデンの同点を狙ったブザービータースリーを背後から阻止し、ホームでの貴重な勝利を決めた。
ハーデンがシュートモーションに入る前にジャンプし、ファウルを犯すことなく後ろから見事なオールボールのブロック。今季ポストシーズンは不調気味だったジノビリだが、チームが最も必要とするときにキャリアハイライトに残るファインプレイを見せてくれた。
▼第2Qには豪快にダンク
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | OT | ||
HOU | 29 | 31 | 25 | 16 | 6 | 107 |
SAS | 32 | 26 | 28 | 15 | 9 | 110 |
スパーズは、レナードがチームハイの22得点、15リバウンド、4アシストを記録。第3Qに足首を捻挫した後も、そのまましばらくプレイしていたが、ポポビッチHCは続行が難しいと判断し、第4Qラスト30秒とOTはベンチに下がったままだった。怪我の状態については、ダニー・グリーンが試合後のインタビューで「(レナードは)表情が変わらないから痛がっているかどうかわからない」と前置きしながら、「医者じゃないのではっきりとは言えないが、歩いていたし、大丈夫そうだった」とコメントしており、レナード本人も「第6戦はプレイできるはずだ」と記者たちに語っている。
レナードの他には、今季プレーオフ初の先発出場となったミルズが20得点/4アシスト、グリーンが8本中4本のスリーを沈めて16得点を獲得。ジノビリとシモンズがそれぞれ12得点をあげ、特にオーバータイムでのシモンズはハーデンを相手に素晴らしい守備を見せた。18得点をマークしたオルドリッジは、フィールドゴール21本中7本成功とショットが安定しなかったものの、クラッチタイムにオフェンスリバウンドなどで大貢献している。
▼ミルズは序盤からアグレッシブに攻めた
一方のロケッツは、ハーデンが33得点、10リバウンド、10アシストのトリプルダブルを記録。前半だけで23得点とハーフタイムまでは絶好調だったが、後半に入ってから失速し、特に第4Q終盤とOTではボールを長くホールドしすぎてショットクロックを無駄に消費し、タフショットやターンオーバーを連発するというマクヘイルHC指揮下のロケッツでよく見られた悪いパターンに陥ってしまった。レナードやグリーンらエリートディフェンダーを相手にほぼすべてのポゼッションでオフェンスを回しながら、ディフェンスではオルドリッジやガソルとポストでマッチアップするなど、試合を通して攻守での負担が大きかったため、疲労がピークに達していたのかもしれない。
ハーデンの他には、ビバリーが20得点、ライアン・アンダーソンが19得点をマーク。この日のロケッツでプレイしたのはわずか7選手で、ネネの離脱が大きく響く形となった。
スパーズとロケッツのシリーズ第6戦は、現地11日にヒューストンで行われる。
ボックススコア:「NBA」