クリス・ポールがFG14本ノーミスのプレイオフ新記録、サンズ第1ラウンド突破
ウェスト1位シードのフェニックス・サンズが現地28日、敵地スムージー・キング・センターで行われたニューオリンズ・ペリカンズとのファーストラウンド第6戦に115-109で勝利。シリーズを4勝2敗で制し、2年連続となるカンファレンス・セミファイナル進出を決めた。
前半を終えた時点で二桁ビハインドを背負っていたこの日のサンズ。10日ぶりに戦線復帰したエースのデビン・ブッカーが精彩を欠く中、大ベテランPGのクリス・ポールが自身のキャリアを代表する記録的なパフォーマンスを披露し、チームをシリーズ勝利に導く。
ポイント・ゴッド
第6戦でのクリス・ポールは、14本中14本のフィールドゴールと4本中4本のフリースローに成功。36分の出場で33得点と8アシストをマークした。プレイオフの試合で、フィールドゴール14本をノーミスで成功させたのは、この日のポールがNBA史上初めてとなる。
ポールは、10点ビハインドで迎えた第3Qにピリオド13得点をマークしてテイクオーバー。試合を接戦に持ち込むと、第4Q残り28秒にはシグネチャームーブである右サイドへのドライブからのエルボージャンパーで決勝弾を沈めた。
なお、プレイオフで10本以上のフィールドゴールをノーミスで成功させた選手は、この日のポールが歴代6人目。フリースローとスリーのノーミスも条件に含めれば、NBA史上初の快挙となる。
驚愕すべきは、アシストからのレイアップやキャッチ&シュートが1本もなく、フィールドゴール14本すべてがドリブルで自らクリエイトしたショットだったというところ。2本のフローターと1本のスリーを除いて、12本がミッドレンジからのプルアップジャンパーだった。
▼美しすぎるショットチャート
2022年ファーストラウンドシリーズでのCP3は、6試合で22.3得点、11.3アシスト、FG成功率56.7%を平均。合計68本のアシストに対して、ターンオーバーがわずか9本、さらに11本のスティールを獲得と、“ポイント・ゴッド”の称号に相応しい活躍ぶりだった。
第6戦のサンズはポールの他、デアンドレ・エイトンがFG12本中10本成功から22得点、ミケル・ブリッジズが18得点で勝利に貢献。ブッカーは12本中5本の13得点と本来の実力を発揮できていなかったが、1点ビハインドで迎えた第4残り1分40秒には逆転のスリーを沈めている。
サンズは次のウェスト準決勝で4位シードのダラス・マーベリックスと対戦。シリーズ第1戦は、現地5月2日にフェニックスで行われる予定だ。
ペリカンズの躍進
敗れたペリカンズは、ブランドン・イングラムが22得点/11アシスト、CJ・マッカラムと新人のハーブ・ジョーンズが16得点で奮闘。クリス・ポールの歴史的なパフォーマンスに対し、最後まで僅差で戦えただけでも称賛に値すると思う。
今季ペリカンズは開幕3勝16敗という最悪のスタートを切るも、シーズン中盤から立て直し、最終成績でウェスト9位の36勝46敗。フランチャイズスターのザイオン・ウィリアムソンがシーズン全休する中、プレイ・イン・トーナメントを勝ち上がり、プレイオフでは昨季ウェスト王者のサンズから2勝をあげた。先行きが絶望的だったシーズン序盤を考えると、誰もにも予想できなかった躍進ぶりだ。
ザイオン・ウィリアムソンが今のロスターに完全復帰したペリカンズが、2022-23シーズンにどんな旋風を巻き起こすのか楽しみ。
ボックススコア:「NBA」