ビンス・カーター「もう1年やれると思う」
NBA史上初のキャリア22年選手誕生となるか?
プロ21年目の今季をアトランタ・ホークスでプレイしている42歳のビンス・カーターは、現地7日にESPNのスポーツ番組『Pardon The Interruption』に出演。番組のホストから「何歳まで続けられると思う?」と質問された際に“43歳”と答え、「もう1年続けられる気がするよ」と来季も現役を続行したい意思を明かした。
「あと1年は引退を先延ばしできると思う。通常なら、シーズンの終わりに頭のてっぺんから足の先までコンディションを確認して決める。それからもちろんチャンスがあるかどうか。関心を示してくれるチームからオファーの電話が鳴れば素敵だね。個人的な意見としては、もう1年現役を続けられる気がする」
– ビンス・カーター
今季のカーターはホークスでの61試合で7.1得点を平均。もちろん出場時間(平均16分)はそれほど多くないが、42歳になった今でもシュート力とバスケットボールIQを武器に立派な戦力であり続け、ダンクもバシバシ決めている。
たまに超人プレイを披露しながら、クアドラプルOTに及んだ3月1日のブルズ戦では合計45分間フロアに立ち、さらに3月4日のマイアミ・ヒート戦では21得点をマークして、NBA史上初めて42歳以上で20得点超えを達成した選手となった。
強い意志とダンクとチャンピオンシップ
またカーターは長く現役を続ける秘訣についてもESPNの番組内で言及。「何をやるか」よりも「それをやり抜く意志の強さ」が重要だと語った:
「(現役を長く続けるために)やっていることはたくさんあるが、『そのためなら何だってやる』という意志が僕の原動力となっている。この年齢になればもちろん食事制限をしなければならないし、他の選手たちよりもトレーニング量を増やす必要がある。最近では試合後にウェイトトレーニングをする選手が増えているが、僕はずっとそれをこなしてきた。他にも、しっかりと休息を取る。試合の日には決められた時間よりも早くアリーナ入りする。そして試合後は少し遅くまで残り、疲れを取るために必要なことをやる。こういった細かなことすべてだ。僕は絶対に段階をスキップしない」
「今のレベルを維持し、このリーグで生き残るためなら何でもやる。その強い意志が一番大切だと思う。僕くらいの年齢の選手になると、みんなそこまでやりたがらない。すごく大変だからね。でも僕は今でもバスケットボールが大好きなんだ」
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今季のカーターは61試合で合計12本のダンクを決めており、すでに過去2シーズンの本数を上回っている。いつまでもダンカーであり続けるカーターだが、全盛期の頃との違いと言えば、最近ではダンクを叩き込むことよりも、その後の着地に気を使うようになったらしい。
「僕がダンクをする時に何を考えているかって?ジャンプする時は問題ない。問題は着地だ。できるだけ柔らかく着地できるように心掛けている。試合のペースがスローだった昔なら、もう少し長くリムにぶら下がっていたいところだが、今はそれができない。今のリーグはペースが速すぎる。リムにぶら下がっていると、その隙に僕のマッチアップがレイアップを決めてしまうだろう。だから今は、ジャンプしてダンク、着地してすぐに守備に戻る、だね」
▼42歳のダンカー
新人王とダンクコンテスト優勝にはじまり、2回のオールNBAチーム、8回のオールスター選出など、21年の長いプロ生活で数々の功績を残してきたカーター。そこにリーグ制覇の称号が加わればさらにキャリアに箔が付くが、今でもリングチェイスをするつもりは一切ないらしい。
次の契約先を選ぶ際も、プレイタイムを犠牲にして優勝候補チームに所属するよりも、自身がオンコートで最も貢献できそうな環境に身を置くことを優先したいそうだ。
「僕はプレイしたいんだ。まだプレイできるし、まだ戦える。チャンピオンシップリングのためだけにベンチウォーマーに甘んじるというのは、僕のやり方ではない。その道は選べないんだ。メンターとして、模範としてオンコートで貢献するのが僕の理想。もちろん誰もがチャンピオンになりたいと思っているし、僕も例外じゃない。ただ、プレイタイムを犠牲にしてまでチャンピオンシップを取りに行く気はない」
– ビンス・カーター
参考記事:「ESPN」