NBAのマウント・ラッシュモアは誰だ?
米スポーツ記者たちの間でこの質問がちょっとした流行になってる様子。きっかけは、「NBA TV」が特番で行ったレブロン・ジェームズへのインタビューだ。
「NBAの“マウントラッシュモア”は誰だと思う?」、インタビュアーはレブロンにそう尋ねた。
マウントラッシュモア(ラッシュモア山)とは、アメリカの歴史で最も偉大な功績を残した4人の大統領を刻んだ、サウスダコタ州キーストーンにある花崗岩のモニュメント。つまりインタビュアーは、「NBA史上最も偉大な4人を挙げてくれ」と問いかけている。
「3人は簡単だ。マイケル・ジョーダン、ラリー・バード、マジック・ジョンソン。4人目は…」
「この質問はフェアじゃないよ。どれだけ偉大な選手がたくさんいると思ってるんだ?」とレブロン。深いため息をついてしばし考えた後、「4人目はオスカー・ロバートソンだ」と答えた。
ロバートソンは、元シンシナティ・ロイヤルズ(現サクラメント・キングス)のポイントガード。長いNBAの歴史で唯一トリプル・ダブルをシーズン平均した伝説の選手だ(1962年:30.8得点、11.4アシスト、12.5リバウンド )。
▼オスカー・ロバートソン
確かにこの質問はフェアじゃない。レブロンが挙げた4人の他にも、ウィルト、ビル・ラッセル、カリーム、シャック、ドクター.J、コービーなど、“マウントラッシュモア”に刻み込まれる資格を持った選手はたくさんいる。4人だけに絞るのは非常に難しい。
続いてインタビュアーは、「君が引退するときには、マウントラッシュモアの一人になっていると思うか?」と質問。これに対して、レブロンは自信満々に「もちろんだ」と即答した:
「僕は歴代選手トップ4の一人になる。それは間違いない。僕にトップ4の席を譲りたくないのならば、山の上にもうひとつスポットを作るべきだ。(席が4つしかないのならば)誰かをどかさなければならない。でも誰をどかすかは、僕の決めることじゃない」
– レブロン・ジェームズ
レブロンが歴代トップ4になれるかどうかはとりあえず置いといて、この“マウントラッシュモア”議論は各スポーツメディアに取り上げられたことでちょっとした話題となり、他のスター選手たちからもさまざまな意見が飛び出した。
ケビン・デュラントの場合:
デュラントのラッシュモアは、「ジョーダン、マジック、バード」の3人、そして4人目にカリーム・アブドゥル=ジャバーを選んだ。
カリームは言わずと知れた元レイカーズのセンターで、NBAのキャリア通算得点記録保持者(38,387点)。またNBA制覇6回、MVP受賞6回を果たしており、史上最高のセンターを論じる時、必ずその名前があがってくる。
▼カリーム・アブドゥル=ジャバー
レブロンのチョイスが“Mr.トリプルダブル”のロバートソンだったのに対して、デュラントが“得点王”のカリームを選んだところが非常に興味深い。まるで2人のプレースタイルの違いをそのまま反映しているようだ。
コービー・ブライアントの場合:
コービーも最初の3人は「ジョーダン、マジック、バード」を選択。4人目に伝説のディフェンダー、ビル・ラッセルの名前を挙げた。ラッセルは50~60年代セルティックスで不動のセンターを務め、13シーズンでチームを11回の優勝に導いている。
▼ビル・ラッセル
コービーは、歴代NBAで最も優勝経験の多いラッセルを選んだ。何を偉大と定義するかで、レブロン/デュラントとそれぞれ意見が分かれていて面白い。
ステファン・カリーの場合:
カリーの場合は少しニュアンスが違い「シューターのマウントラッシュモアは誰か?」という質問だった。「僕の意見は少しバイアスがかっているけど…」とした上で、まず父であるデル・カリーを挙げ、続いてレジー・ミラーとレイ・アレンを選出。4人目には、ブルズ黄金期のシューター、スティーブ・カーを選んだ。
「カーを選んだ理由は、勝負どころに強いシューターだから。たくさんシュートを打つ選手ではなかったが、確実に決めてくるシューターだった。それから彼はキャリア通算3ポイント成功率が歴代1位だ」
– ステファン・カリー
ちなみに父のデルは、キャリア通算3ポイント成功数で歴代36位、成功率では歴代30位にいる。
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参考記事:「Bleacher Report」