優勝に貢献したウィギンスとプール、GSWと1億ドル超えの延長契約へ
昨季NBA王者のゴールデンステイト・ウォリアーズが現地10月15日、フォワードのアンドリュー・ウィギンスと複数年の延長契約を結んだことを正式に発表。チームから詳細は明かされていないが、ESPNのエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によると、契約内容は4年/1億1000万ドルで、最終年の2026-27シーズンはプレイヤーオプションだという。
さらに現地メディアによれば、同日のウォリアーズはシックスマンのジョーダン・プールとも延長契約で合意。プールの契約内容はウィギンスよりも豪華で、4年/1億4000万ドル(約207億2000万円)だそうだ。
ウィギンスとプールの成長
昨季のウィギンスとプールは、それぞれの形でブレイクしてウォリアーズの優勝に大貢献。レギュラーシーズンでは、ウィギンスが17.2得点/4.5リバウンド、プールが18.5得点/FG成功率45%を平均。ウィギンスはキャリア初のオールスター選出を果たし、プールは2021-22シーズンのMIPで4位の得票ポイントを獲得している。
特にウィギンスはロールプレイヤーとして大きく進化。ウルブズにいた頃は、「得点力は高いが、プレイの幅が狭いエース」といったタイプの選手で、ディフェンスやプレイメイクが弱点などと言われていた。
そんなウィギンスがウォリアーズ移籍後は完全にエゴを捨て去り、3&Dプレイヤーとして躍動。昨季にはスリー成功率で自己ベストの39.3%をマークしつつ、プレイオフのウェスト決勝とファイナルでは、ルカ・ドンチッチやジェイソン・テイタムらオールNBAチーム級のスーパースター相手に素晴らしいディフェンスを披露した。
▼ウィギンスの2022プレイオフ
ウィギンスがプールよりも低い額で延長契約に合意したのは正直驚き。ウィギンスは現在の契約が来季最終年で、もし2023年オフにFAになっていれば、もっと高額のオファーを得られていたはず。
ウィギンスは今回の契約について、「将来がどうなるかなんて誰にも分らない。僕はウォリアーズの一員でいれてハッピー。特別なことを成し遂げるチャンスだ。後悔はないよ」と話している。
タックス地獄
ウィギンスとプールの延長契約締結により、1年後の2023-24シーズンのウォリアーズは法外な額のペイロールを負担することになる。
来季はまず、主力5選手(カリー、トンプソン、グレーン、ウィギンス、プール)のサラリーだけで大幅にサラリーキャップを超過する見込み。そこに、若手をはじめとした他の保証契約、ラグジュアリータックスを加えると、総額で5億ドルを超えることになりそうだ。
▼現時点で確定している2023-24ウォリーアズの12選手分のサラリーは以下の通り:
- ステフィン・カリー:5190万ドル
- クレイ・トンプソン:4320万ドル
- ジョーダン・プール:3130万ドル
- ドレイモンド・グリーン:2790万ドル(オプション)
- アンドリュー・ウィギンス:2430万ドル
- ジェームズ・ワイズマン:1210万ドル
- ケボン・ルーニー:750万ドル
- ジョナサン・クミンガ:600万ドル
- ドンテ・ディビンチェンゾ:470万ドル(オプション)
- モーゼス・ムーディー:390万ドル
- パトリック・ボールドウィン:230万ドル
- ライアン・ローリンス:170万ドル
2019年ドラフト28位指名のプールは、今季のサラリーが300万ドルほどだが、来年からは年収が約10倍。ESPNのボビー・マークス記者によると、来季ウォリアーズのサラリー+タックスの推定総額は約5億3000万ドルだという。
来季以降のウォリアーズのサラリー事情を大きく左右するのはドレイモンド・グリーンの契約だ。
2023-24のグリーンは契約最終年のプレイヤーオプション(年俸2750万ドル)。もしグリーンがオプションを破棄してFAとなり、他のチームに移籍すれば、ウォリーアズは大幅な節約ができるようになる。
参考記事:「NBA」