ウルブズがトム・シボドーHCを解雇へ
ウルブズのシボドー時代が早くも終焉。解雇自体は以前から可能性が囁かれていたので驚きではないが、まさかこのタイミングとは…。
ミネソタ・ティンバーウルブズは現地6日、ヘッドコーチ兼球団社長のトム・シボドーを解任したことを発表した。
最初にニュースが報じられたのは、ウルブズがホームでロサンゼルス・レイカーズに圧勝した試合のわずか1時間後のこと。ESPNによれば、試合終了から間もなく、ウルブズGMのスコット・レイデンとCEOのイーサン・キャッソンがシボドーHCのオフィスを訪れ、直接解任の決断を伝えたという。快勝を収めたチームのヘッドコーチがその日に解任されるなんてあまり聞かない。
2016年のオフシーズンにウルブズのHCに就任したシボドーは、2シーズン半での203試合で96勝107敗の成績を記録。ジミー・バトラーを迎えた昨季には、チームを14年ぶりのプレイオフ進出へと導いた。
2004年以来初の勝率5割超えを達成したシボドーHC指揮下のウルブズだが、オフシーズンのバトラー騒動でチームが一丸になれず、今季開幕13試合で4勝9敗と低迷。バトラーを放出して以降は、15勝12敗とやや持ち直しているが、フロントオフィスはそれでは不十分だと感じたのだろう。
球団オーナーのグレン・テイラーは『スター・トリビューン紙』の取材に応じ、シボドーの解任について、「シーズン半ばまで来たが、本来いるべき位置に届いていないと思う。まだプレイオフへの希望は失われていない。シーズンは半分残っている。今回の改革がどんな影響を及ぼすのか様子を見てみよう」とコメント。
またテイラーが考える“勝てるはずの試合”に何度も負けてしまったことも決断の一因になったと明かしている。
「私は結果に注目している。フェニックスやピストンズ、ペリカンズ、ホークスといったチームに負けるべきではなかったと思う。一つくらいならわかる。我々の方が実力が上なのに敗北してしまった試合がたくさんある」
– グレン・テイラー
ペリカンズやピストンズがウルブズよりも実力的に下かどうかは置いといて、ウルブズがホームでアトランタ・ホークスに敗北したのは12月28日。シボドー解任に踏み切ったのがその時でなく、どうして二桁点差での連勝をあげた今だったのか?
シボドー指揮下でかつての輝きを取り戻したデリック・ローズは、「僕を信じてくれたコーチは彼だけだった」と恩師との決別を悲しんだ。
なおウルブズの発表によると、シボドーの後釜として、アシスタントコーチのライアン・サンダースが暫定HCに昇格し、残りシーズンの指揮を務めることになる。
ライアン・サンダースは、2015年に癌で死去したフリップ・サンダース元ウルブズHCの息子で、2009年から5年間ワシントン・ウィザーズでアシスタントコーチを務めた後、2014年にウルブズのコーチングスタッフに加わった。まだ32歳と非常に若いが、『The Athletic』によると、すでにウルブズプレイヤーたちからの信頼を得ているという。
一方でESPNのAdrian Wojnarowski記者によれば、ウルブズの次期HC有力候補として、12月初めにシカゴ・ブルズからHC職を解任されたばかりのフレッド・ホイバーグの名前が挙がっているとのこと。ホイバーグは選手としてのNBAキャリア最後の2シーズンをウルブズでプレイし、その後2010年にアイオワ州立大学のヘッドコーチに就任するまで、ウルブズのフロントオフィス職に就いていた。なのでミネソタとの繋がりが強い。
マイクを通さずとも試合中継の音声に拾われるほどの大きさで、サイドラインから「ICE! ICE!」と怒鳴り散らすシボドーHCの声がしばらく聞けなくなるのは少し寂しい気もする。
参考記事:「NBA」