【2014ファイナル第3戦】スパーズが記録的な前半パフォーマンスでヒートに圧勝
1勝1敗のシリーズタイで迎えた10日のNBAファイナル第3戦は、サンアントニオ・スパーズが111対92の大差で勝利。マイアミ・ヒートは今季プレイオフで初めてホームでの敗北を喫した。
この日のスパーズは敵地で完璧な立ち上がりをみせた。序盤から絶妙なチームオフェンスでヒートを圧倒し、最初の12分だけでフィールドゴール15本中13本を成功させ、41点を獲得。第1Qにスパーズでシュートを外したのは、ティム・ダンカンとトニー・パーカーだけだ。
▼スパーズの第1Q、FG成功率は86.7%!!
第2Qに入ってもスパーズの勢いは衰えず、スリーポイントで挽回をはかろうとするヒートをさらに突き放し、71対50の21点リードで試合を折り返した。スパーズが前半に記録したシュート成功率75.8%は、NBAファイナル史上最も高い数字となる。
▼第3戦スパーズの前半ショットチャート
シリーズ最初のホームゲームで惨敗だけは何としてもさけたいヒートのスポルストラHCは、ハーフタイムのロッカールームで選手たちにこんな言葉をかけた:
「一気に20点差を詰める必要はない。我々がしなければならないのは、6分台のタイムアウトまでに点差を半分にすることだ。半分でいい。これまでに幾度となくやってきたことだ」
– スポルストラHC
ヘッドコーチの言葉に応えるかのごとく、ヒートは後半に入ってから猛反撃を開始。迫真のディフェンスでスパーズのリズムをシャットダウンしながら、ドウェイン・ウェイドを筆頭に得点を積み重ね、第3Q残り2分で7点差にまで迫った。
しかし正念場の第4Q序盤で、ヒートは痛恨のターンオーバーを連発。スパーズが二桁台のリードを取り戻すと、そこから点差は広がる一方となり、結局試合はスパーズの圧勝に終わった。
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | ||
SA | 41 | 30 | 15 | 25 | 111 |
MIA | 25 | 25 | 25 | 17 | 92 |
スパーズの次世代エース
第3戦序盤の記録的なスパーズオフェンスのリズムを作ったのは、なんといってもカワイ・レナードだ。
この日のレナードは、第1Qだけでスリー3本を含む5本中5本のシュートを沈め、16得点を獲得。その後も第2戦のようにファウルトラブルに陥ることなく、マッチアップしたレブロンを凌駕するほどの活躍をみせ、最終的にキャリアハイの29得点、さらに4リバウンド、2スティール、2ブロックを記録した。FG成功率は76.9%、ターンオーバーはたったひとつしか出していない。
レナードが第3戦でスコアした29得点は、高校、大学、プロキャリアを通しての自己最多。スパーズの次世代を担う22歳のフォワードは、NBAファイナルという世界最高峰の舞台で、世界一のプレーヤーを相手に人生最高のプレーをした。
▼レナードを活躍を労うポポビッチHC
あのマジック・ジョンソンもレナードを大絶賛。
「宣言しよう。カワイ・レナードはいつの日かNBAのスター選手になる!」
– マジック・ジョンソン
ちなみに、22歳までにNBAファイナルの試合で29点以上を記録できた選手は、マジック、コービーに続き、レナードが3人目となる。
スパーズはレナードの他にも、ダニー・グリーンが8本中7本のフィールドゴールを成功させて15得点をマーク。さらに5スティールをあげ、守りの面でもチームに大貢献した。
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この日の勝利でスパーズはシリーズを2勝1敗とし、ホームコートアドバンテージをヒートから奪い返した。ファイナル第4戦は、現地12日に再びマイアミで行われる。
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