第4戦終盤でベンチに下げられたドレイモンド・グリーン「不愉快だったが勝てれば良し」
現地6月10日に行われたNBAファイナル2022第4戦の終盤、ゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーHCは大胆な采配を振った。僅差の勝負所で、守備の要であるドレイモンド・グリーンをベンチに下げたのだ。
ウォリアーズの5点ビハインドで迎えた第4Q残り7分30秒、カーHCは得点面で精彩を欠いていたグリーンを交代させ、カリー/トンプソン/プールのスリーガードにウィギンスとケボン・ルーニーがフロントコートを務めるオフェンス重視のラインアップを投入。そのまま5分近くグリーンをベンチに座らせる。
カーHCは残り3分40秒にグリーンを一時フロアに戻したが、その後も攻守が切り替わる際にタイムアウトを取るなどしてジョーダン・プールとグリーンを交代。正念場でグリーンを守備要員として起用した。
グリーンほどの実績を持った選手をファイナルの大舞台、しかも第4Qのクラッチタイムでベンチに下げるというのは、極めて勇気のいる決断。結果として勝利したから良かったものの、コーチと主力プレイヤーの間に亀裂を生みかねない大胆な采配であり、もし敗北していたなら、カーHCは戦犯扱いされていただろう。
なおウォリアーズは、グリーンがベンチに下がった約5分間に11-3のランを展開して逆転。そのまま最後までリードを維持し、シリーズを2勝2敗のイーブンとした。
グリーンは試合後、勝負所でベンチに下げられたことについて、「コーチがそう判断したなら、それに従うのみ。集中力を維持しつつ、フロアに戻る機会があれば、良いプレイができるように努めた」とコメント。さらに自身のポッドキャストで、「僕がオフェンスで不振だったのは事実。実績や契約金だけで誰がフロアに立つべきかを決めるのは間違っている」とカーHCの采配を支持している。
「チームが勝利できるなら何だっていい。カーHCが僕をベンチに下げたことについて、腹が立ったかと聞かれればその通りだ。絶対に負けられない試合の残り7分に交代させられるなんて、本当に不愉快だった。だがそんな時に、トスカーノ・アンダーソンやペイトン二世、クリス・チオーザたちが声をかけてくれたことで、ポジティブなエネルギーを維持できた」
「ベンチにいた選手たちが発破をかけてくれたおかげで、終盤にファインプレイができた」と語ったグリーン。実際に3点差で迎えた第4Q残り1分半のポゼッションでは、オフェンスリバウンドからルーニーへのアシストを決めるなど、チームに勝利をもたらすクラッチプレイを見せた。
2022ファイナルでのグリーンは、4試合で平均4.3得点とスコアリングで苦戦。フィールドゴール成功率がわずか23.1%で、スリーにことごとく失敗(9本中0本)している。
現地13日に行われる第5戦では、ウォリアーズがどんなラインアップローテーションを組むのか楽しみだ。
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