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2021NBAドラフト
2021 7 31

2021NBAドラフトの結果と感想:ラプターズとスパーズが予想外の指名

2021, ドラフト 0

NBAでは現地7月29日、第75回NBAドラフトがニューヨークのバークレイズ・センターで開催された。

コロナ禍によるスケジュールのずれ込みで史上初の7月開催となった2021ドラフト。デトロイト・ピストンズが全体1位で指名したのは、大方の予想通り、オクラホマ州立大のケイド・カニングハムだった。

#1️⃣ Congratulations @CadeCunningham_ and the @detroitpistons. #NBADraft ➡️ #NBASummer pic.twitter.com/iTjAIGoQ50

— NBA Summer League (@NBASummerLeague) July 30, 2021

ピストンズから全体1位指名を受けたのは、1967年のジミー・ウォーカーと1970年のボブ・レイニアに次いでカニングハムが球団史上3人目。ウォーカーとレイニアは2人とも複数回のNBAオールスターに輝き、レイニアはバスケットボール殿堂入りも果たしている。

カニングハムは高いスキルレベルとパスセンスを持ち合わせた長身のボールハンドラー。ピストンズが将来のフランチャイズスターとしてカニングハムにかける期待は大きい。

今年のドラフト全体2位指名では、ヒューストン・ロケッツがガードのジェイレン・グリーンを獲得。続いてクリーブランド・キャバリアーズが3位でセンターのエバン・モーブリーを指名した。グリーンとモーブリーは2人とも、違う年のドラフトならそれぞれが1位指名でもおかしくないと言われるプロスペクトだ。

以下、1位~14位までのロッタリー指名選手:

  1. ケイド・カニングハム:ピストンズ
  2. ジェイレン・グリーン:ロケッツ
  3. エバン・モーブリー:キャブス
  4. スコッティ・バーンズ:ラプターズ
  5. ジェイレン・サグス:マジック
  6. ジョシュ・ギディー:サンダー
  7. ジョナサン・クミンガ:ウォリアーズ
  8. フランツ・バグナー:マジック
  9. デイビオン・ミッチェル:キングス
  10. ザイール・ウィリアムズ:ペリカンズ
  11. ジェームズ・ボックナイト:ホーネッツ
  12. ジョシュア・プリモ:スパーズ
  13. クリス・ドゥアルテ:ペイサーズ
  14. モーゼス・ムーディー:ウォリアーズ

今年のドラフトにおける最大のサプライズは、トロント・ラプターズだろう。

4位指名権を持っていたラプターズは、2021年ドラフトでトップ4入りがほぼ確実視されていたゴンザガ大のジェイレン・サグスを指名せず、フロリダ州立大のスコッティ・バーンズを獲得した。

▼スコッティ・バーンズ

Night everyone! #WeTheNorth pic.twitter.com/td9X3AjlW7

— Toronto Raptors (@Raptors) July 30, 2021

ラプターズが指名したバーンズは、221cmのウィングスパン(カワイ・レナードと同じ)を持つサイズに恵まれたフォワード。外のシュートが苦手な部分があるものの、1番~5番までスイッチできる超万能なディフェンダー。さらにパスセンスも高く、カレッジではポイントフォワードを務める場面もあったため、ドレイモンド・グリーンと比較されることもある。

高いポテンシャルを秘めたバーンズだが、やはり気になるのはラプターズとのフィット。チームの主力であるパスカル・シアカムやOG・アヌノビーとポジションがかぶっている。ただバーンズとシアカム、アヌノビーをフロントコートに置くスモールラインアップはかなり面白そうだ。

一方のサグスは、プレイメイク力と得点力を持ち合わせたコンボガード。先月のロッタリー抽選でラプターズが4位指名を引き当ててからは、将来的にサグスがカイル・ラウリーの後任としてチームのバックコートを引っ張っていくだろうといった期待の声もファンたちから多く出ていた。

昨季カレッジでのサグスは14.3得点、4.5アシスト、2.8スティールを平均。2021NCAAトーナメントの準決勝では、オーバータイムにブザービーターを決めてゴンザガを準優勝に導いている。

サグスを獲得したのは、5位指名権を持っていたオーランド・マジック。2012年にドワイト・ハワードをトレード放出して以降、フランチャイズスターと呼べる選手と縁のなかったマジックにとっては最高のシナリオとなった。

ポテンシャルに賭けたスパーズ

個人的に今年のドラフトで一番の驚きだったのは、サンアントニオ・スパーズの指名。スパーズは12位指名でアラバマ大のジョシュア・プリモを選んだ。

昨季NCAAで最年少選手だったプリモは、30試合の出場で8.1得点、3.4リバウンド、スリー成功率38.1%を平均。セールスポイントはジャンプショットで、ボールハンドルやスピードもあるウィング選手だが、プレイメイクがあまり得意でない一面もあり、アラバマ大での昨シーズンはアシスト(25本)よりもターンオーバー(41本)の方が多かった。

▼ドラフトコンバインでのプリモ

スパーズがシューティングを必要としているのは確かだが、SNSでは「またウィングを指名したのか?」と困惑の声を上げるファンも多数。そもそも現地メディアのモック・ドラフトでは、多くのエキスパートがプリモの指名順位を1巡目25位以下と予想していた。

わざわざ12位指名しなくても、トレードダウンしてアセットを獲得できたのでは?というのが正直な感想。現地メディアによると、プリモはドラフトコンバインでスカウトたちの評価を大きく上げたという。

スパーズが長期的な育成プロジェクトとしてプリモを選んだのは間違いない。プリモは2021年ドラフト最年少の18歳で(2002年12月生まれ)、もしドラフトエントリーを来年にずらしていれば上位指名を受けていただろうとされる将来有望な選手だ。スパーズはドラフト前のワークアウトで、プリモに光るものを感じたのだろう。

トニー・パーカーやマヌ・ジノビリ、カワイ・レナードらを発掘したスパーズフロントオフィスの鑑識眼を信じたい。

参考記事:「NBA」

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