デイミアン・リラードがプレイオフ史に残る大活躍も勝利ならず、ナゲッツがシリーズ王手
ポートランド・トレイルブレイザーズのデイミアン・リラードが現地6月1日、ボール・アリーナで行われたデンバー・ナゲッツとのファーストラウンド第5戦で、55得点、11アシストをマーク。ダブルOTに及ぶ死闘の末に惜しくも勝利を逃す結果となったが、NBAポストシーズンの歴史でも屈指のオフェンシブパフォーマンスを披露した。
この日のリラードは、ゲーム最多となる52分の出場で24本中17本のフィールドゴールに成功。特に第4Q終盤からのショットメイクが神がかっていた。
Dame Time
まずリラードは第4Q残り3.7 秒に同点のスリーを沈めて試合を延長戦に持ち込むと、最初のOTでは9点ビハインドに陥った残り時間2分15秒から怒涛の12連続得点。
カウント・ワンスローのレイアップとスリー3本を立て続けに決める圧巻のクラッチパフォーマンスで再び試合を振り出しに戻す。
▼デイム・タイム
第2OTではゲーム12本目のスリーを沈めるなど、相手エースのニコラ・ヨキッチと一騎打ちを繰り広げたリラード。だがブレイザーズはその他の選手が勝負所でほとんど貢献できず、オーバータイム10分間におけるチーム得点19点中17点がリラード1人によるものだった。
一方のナゲッツは、ヨキッチの他にもモンテ・モリスやマイケル・ポーターJr.らが大事な場面でステップアップ。第2OTを12-5で上回り、シリーズ3勝2敗で王手をかけた。
新記録
試合には敗れたものの、NBAプレイオフ史に伝説を刻んだデイミアン・リラード。まず55得点は、リラードのプレイオフキャリアハイかつブレイザーズのプレイオフ球団最多記録だ。
また、この日のリラードが決めたスリー12本は、2016年ウェスト決勝第6戦でのクレイ・トンプソン(11本)の記録を追い抜き、ポストシーズン史上最多となる。
▼POでスリー成功数10本以上達成は歴代で2人のみ
- デイミアン・リラード:12本(2021年6月1日)
- クレイ・トンプソン:11本(2016年5月28日)
- デイミアン・リラード:10本(2019年4月23日)
プレイオフの試合で55得点/10アシスト以上のダブルダブルを記録したのは、リラードが初。さらに、50/10と同時に10本以上のスリー成功をマークしたのは、レギュラーシーズンも含めNBA史上初の快挙だ。
▼ショットチャート
試合後、ナゲッツのニコラ・ヨキッチは「コートの上であのパフォーマンスを目の当たりにできて嬉しい」と敵エースのリラードに最大級の賛辞を贈った。
他のNBAスターらも、TwitterなどのSNSで第5戦のリラードを大絶賛:
・ケビン・デュラント
「ツイート4つくらいで今日のデイミアン・リラードによる最高傑作の感想を書きたかったんだけど、真剣に言葉が見当たらない」
・ステフィン・カリー
「デイミアン・リラード。以上。」
・ドノバン・ミッチェル
・ザック・ラビーン
・ジャ・モラント
ファーストラウンド突破まであと1勝に迫ったナゲッツは、ヨキッチが38得点、11リバウンド、9アシストをマーク。他にはモリスがベンチから29得点、ポーターJr.が26得点/12リバウンドのダブルダブルで勝利に貢献した。
なお過去のプレイオフの例を見ると、2勝2敗のイーブンから第5戦を制したチームは82.5%(174-37)の確率でそのシリーズを勝ち抜いている。ナゲッツとブレイザーズのシリーズ第6戦は、現地3日にポートランドで行われる。
ボックススコア:「NBA」