バックスのジョン・ヘンソンが人種差別体験をネットで告白
ミルウォーキー・バックスの若手センター、ジョン・ヘンソンが、現地の宝飾店で人種差別的な扱いを受けたとして、その体験談をInstagramに共有した。
投稿によると、ヘンソンは時計を購入するため、ミルウォーキーエリアにある宝飾店「Schwanke-Kasten Jewelers」を訪れようとしていたとのこと。ヘンソンが店舗に入ろうとしたところ、営業時間中にも関わらず鍵を閉められ、店員から帰るように告げられたらしい。
「僕がドアベルを2回鳴らすと、店員たちはみんな奥に引っ込んでしまった。誰も返事をしないし、何が起こっているのか説明すらない。続いて2台のパトカーが登場し、通りの向かいに停車して、5分ほど僕を観察していた(恐らく店が通報したのだろう)。それから警察官2人が近寄ってきて、カーディーラーのナンバープレートを付けている僕の車について質問してきた。この車は、地元自動車ディーラーとのスポンサー契約の一部だ。その他にもあれこれと質問された。普通に買い物をしようとしていただけの僕にしてみれば、見当違いも甚だしい。僕は時計を見に来ただけだと言ってやった。それから警察官は店の奥に入り、店員たちに対して安全だから出てくるようにと告げに行った。それも警察が僕のナンバープレートを照合して、車のバックグラウンドチェックを済ませた後だがね。そしてようやく店員が奥から出てきて、いつも通りの商売を再開した。これは、僕がこれまでの人生で経験した中で、最も下劣かつ人種的偏見に満ちた出来事だ。誰にも同じことを経験させたくない。この店は追及されるべきで、この投稿はそのためです。人種や国籍で他人を選別する権利は誰にもない。今回の一件は白日の下にさらされるべきことだ。この店で買い物しようと考えている人がいるなら、この投稿を読んで欲しい。そしてこの差別的な店舗でお金を使わないよう勧めたい」
– ジョン・ヘンソン
このヘンソンの体験談は多くの人の関心を集め、瞬く間にネット上で拡散。他のSNSやニュースメディアにも飛び火し、米大手口コミサイト「Yelp」の当該店舗ページは、低評価や批判コメントの嵐で大炎上となった。
以下、Yelpユーザーの店舗レビューより:
「イヤリングを購入するためこの店舗を訪れていたのですが、背の高い黒人男性が入り口に近づいて来るのを見て不安な気持ちになりました。私のデリケートな白人的感受性にとって幸いなことに、店舗は閉店したふりをして、男性を警察に通報してくれました。よってお店の第一印象は良かったです。しかしナチスデザインのイヤリングを扱っていないようなので、この店舗の白人至上主義に対する献身さを疑問視せざるを得ません。評価は星1つです」
アメリカでは、人種的偏見に基づき特定のグループに疑いをかけるレイシャル・プロファイリングが度々問題になる。マイノリティ人種の人たちが理由もなく警察に職務質問を受けたり、スーパーマーケットで店員に後をつけまわされたりする、といった事例が代表的だが、今回のヘンソンのケースがレイシャル・プロファイリングに当てはまるのかどうかは定かになっていない。
宝飾店のオーナーが地元メディアに語ったところによると、ヘンソンの入店を拒否した理由は、ヘンソンの人種ではなく、車に警戒したからとのこと。この店舗は過去18ヵ月で3度も強盗被害に遭っているらしく、その時の容疑者の車の一つがヘンソンの車のナンバープレートと同じディーラーのものだったとしている。
「レイシャル・プロファイリングは許されるべきことではない。今回の一件がこのような形に展開してしまったのは誠に残念だ」
– 宝飾店オーナー
一方でミルウォーキー・バックスは、「今回の件についてヘンソンと話し合った。誰もあのような扱いを受けるべきではない」という声明を発表。問題の宝飾店に直接コンタクトを取るつもりだとしている。
Image by Keith Allison/Flickr
参考記事:「SB Nation」