ジミー・バトラー、チーム練習復帰で大暴れ
「事実は小説より奇なり」とはよく言われるが、ジミー・バトラーとミネソタ・ティンバーウルブズの騒動を見ていると、最初から脚本があるのではと疑いたくなるような展開になってきた。
トレーニングキャンプ開幕前からトレードを要求していたバトラーが、現地10日に行われたウルブズのチーム練習に今季初めて参加。そこでバトラーは、久々のチーム合流にもかかわらず、かなり強気で辛辣な発言を連発したらしく、チームメイトに容赦なくトラッシュトークを浴びせまくった他、チームGMのスコット・レイデンにも「お前は俺が必要だ。俺抜きで勝てるわけがない」と食ってかかったという。
練習後、バトラーはESPNのインタビューに応じ、一連の報道について「大部分が真実」とコメント。練習での問題行動については、「正しい行いではなかったと思う」としながらも、「それがありのままの僕の姿だ」と説明した。
「僕はしばらくバスケットボールから遠ざかっていたからね。とにかく夢中だった。僕がああいった行動をしたのは、切磋琢磨するために他ならない。それで練習では一気に感情が溢れ出てしまった。あれが正しい行動だったかと聞かれれば、ノーと答えるよ。でもバスケットボールに夢中になっている時は、自分をコントロールできなくなるんだ。それが僕のバスケットボールに対する愛情。それが僕のベストな状態、ありのままの自分なんだ」
– ジミー・バトラー
現地メディアの報道によると、この日のバトラーは、特にカール・アンソニー・タウンズとアンドリュー・ウィギンスの若手コアをターゲットにし、「軟弱」や「雑魚」と罵ったりしていたとのこと。また5対5の練習の際には、あえて補欠チームに入り、レギュラーを打ち負かしたとも伝えられている。
バトラーはESPNのインタビューで、タウンズやウィギンスらチームメイトとの接し方についても言及。「みんな言いたいことを言い合うのを怖がっている」「練習で僕のやり方が気に食わないのなら、誰でもいいから僕に直接文句を言ってほしい。そのことで腹を立てたりはしない」と主張した。
「KAT(タウンズ)に厳しすぎるかって?もちろん。それが僕のやり方だ。このチームの中で最も優れた才能の持ち主は僕じゃない。チームで最も優れた才能を持っているのはKAT。そして天賦の才を持っているのはウィギンス。だが最もハードにプレイするのは誰?それは僕だな!僕は試合だろうが練習だろうが、常に体を張ってハードにプレイしている。それが僕の情熱だ。リーダーシップの取り方は人によって違う。僕のやり方はハードにプレイすることだ」
バトラーはとにかくタフな選手で、ハードワークと不屈の精神によりドラフト下位指名からオールスターへとのし上がった。ただ自分自身に課すストイックさと同じものを周囲にも求めてしまうためか、時に価値観の違うチームメイトとぶつかってしまうのだろう。ブルズ時代にも、チームメイトとの衝突が何度か報じられていた。
Yahoo Sportsによると、練習を終えたバトラーは、ストレッチもせずにジムを飛び出していったらしい。バトラーの破天荒な行動に触発され、モチベーションが上がった選手もいたそうだが、タウンズをはじめとした多くのチームメイトたちは、言葉を失うほどに困惑していたという。
バトラーのトレード要求を巡る騒動は、一体どんな結末を迎えることになるのか?「練習に復帰したことで、チームとの関係は修復に向かっているか」という記者からの質問に対し、バトラーは「そう思う人もいるだろうが違う。修復されていない。それが正直な意見。関係が修復される可能性はある。でも僕はそれが実現するとは思わない」と本音を語った。
参考記事:「ESPN」