クリッパーズのオーナーが大問題発言か?「黒人を試合に連れてくるな」
ロサンゼルス・クリッパーズのオーナー、ドナルド・スターリンググの人種差別発言疑惑により、プレーオフ真っただ中のNBAが混乱している。
最初にニュースを報じた米ゴシップサイト「TMZ」によると、スターリングは恋人との口論の際に、「黒人を私の試合に連れてくるな」などの人種差別的な発言を連発したとのこと。会話を秘密裏に録音したとされる音源をTMZが入手したことで明らかとなった。現在NBAが発言の真偽を調査している。
口論の内容によると、スターリングは、恋人がマジック・ジョンソンと記念撮影した写真をInstgramに公開した事に腹を立てていた様子。その中で、NBAの黒歴史に永遠に刻み込まれるであろう数々の“迷言”を残した:
「君が黒人たちとの交流を大々的に発信するのは非常に不愉快だ。そんなことしなくちゃならないのかね?」
– ドナルド・スターリング
「君が黒人と寝るのは構わない。家に連れ込んでも良い。君の好きなようにすればいいだろう。私のお願いは、彼らとの関わり合いを宣伝するなということだ。それから私の試合にも連れてくるな」
– ドナルド・スターリング
「私が言いたいのは、君のくだらないInstagramに黒人と一緒にいる写真を投稿する必要はないということだ」
– ドナルド・スターリング
「マジック・ジョンソンをInstagramに載せるんじゃない。それから彼を試合に呼ばないでくれ」
– ドナルド・スターリング
これらの発言が事実であるならば、本当によくわからないオヤジだ。それほど黒人と関わりたくないのであれば、どうして選手の80%以上がマイノリティー人種(白人以外)であるNBAのオーナーになったのか?どうして毎年何十億円にものぼる巨額の給料を支払っているのか?
恋人が「あなたも黒人と関わっているじゃない」と問い詰めると、スターリングは「私は君じゃないし、君は私じゃない。君は上品な白人女性、ラティーノ女性として振舞うべきなんだ」と謎の反論していた。ちなみにスターリングの恋人は黒人/メキシカンの系統だという。
NBA選手、関係者の反応
スターリングの発言疑惑に対して、当然ながら多くのNBA関係者たちから怒りの声が上がっている。
レブロン・ジェームズは「もし報道が事実ならば…」とワンクッション置いた上で、「NBAにスターリングの居場所は存在しない」と怒りを露わにした。
「オーナーがあのような発言をするとは、極めて不敬で恐ろしい。僕の大親友の一人であるクリス・ポールが彼のチームでプレーしているというのに」
– レブロン
「僕はアダム・シルバー(コミッショナー)、そしてNBAを信じている。このことは出来る限り素早く何らかの処置がとられるべきだ。もう一度言う、このリーグにスターリングの居場所はない。そんな次第だ」
– レブロン
レイカーズのコービー・ブライアントもこの騒動に対してTwitterで一言:
I couldn’t play for him
— Kobe Bryant (@kobebryant) 2014, 4月 26
「彼のもとではプレーできないね」
– コービー
また、口論の中で名前があがったマジック・ジョンソンも徹底的に抗議する姿勢をみせた:
.@cjbycookie and I will never go to a Clippers game again as long as Donald Sterling is the owner.
— Earvin Magic Johnson (@MagicJohnson) 2014, 4月 26
「スターリングがオーナーを続ける限り、私はクリッパーズの試合に行きません」
– マジック・ジョンソン
クリッパーズのドック・リバースHCはインタビューで、「チーム全員が不愉快に思っている。J.J.レディックもクリス・ポールと同じくらい怒っており、当然のリアクションだ」とコメント。報道によると、26日に緊急のチームミーティングが開かれ、一時はウォリアーズ第4戦をボイコットする案も話し合われたそうだ。
「黒人としてではなく、人間として我々が送れる最大の抗議メッセージは、チームとして一丸となり我々の強さを見せつけることだ。分裂したり、逃げたりせずに。抗議するのは簡単だ。我々のプレーでみせる」
– ドック・リバースHC
スターリングの主張:「レイシストじゃない」
各地からの批判を受け、スターリング並びに球団はTMZに向けて以下のような声明を発表した:
TMZに公開されたテープを聞きましたが、それが正当なものなのか、あるいは改ざんされたものなのか判断できません。
テープをリリースした女性は、スターリング家から180万ドルをだまし取ったとして提訴されている人物です。
スターリング氏は、テープの内容がスターリング氏の考え方や信念、感情を反映するものではないと明確にしています。(テープの内容は)彼の性格、信念、生き方とは対照的なものです
※ ※ ※
なんとも皮肉なことに、スターリングは5月15日にアフリカ系アメリカ人の公民権運動団体「全米黒人地位向上協会(NAACP)」から表彰を受ける予定だった。
この騒動はどんな結末を迎えることやら…。いずれにせよ、プレーオフの大事な時期にこんな形で邪魔が入ったのは非常に残念だ。クリッパーズ一同の心境を考えるとすごく切ない。
ソース:「TMZ.com」