【NBAファイナル2022】ステフィン・カリーが第4戦で43得点の大活躍、シリーズ2勝2敗
NBAでは現地6月10日、ゴールデンステイト・ウォリアーズとボストン・セルティックスがTDガーデンで第4戦を対戦。ウォリアーズが107-97でセルティックスを下し、シリーズを2勝2敗のイーブンに持ち込んだ。
カリー大爆発
終始一桁点差を争う接戦となった2022ファイナル第4戦では、ステフィン・カリーが自身のプレイオフキャリアを代表するスコアリングパフォーマンスを披露。41分の出場で、7本のスリーを含む26本中14本のフォールドゴール成功から43得点、10リバウンドのダブルダブルでウォリアーズをけん引した。
チームメイトたちがショットのリズムをなかなか掴めない中、第3Qには難易度の高いスリーを次々と沈めてピリオド14得点をマーク。さらに1点差で迎えた第4Q残り4分からは10得点をあげて、試合をテイクオーバーする。
カリーがプレイオフの試合で40得点以上をマークしたのは、2019年6月5日に行われたトロント・ラプターズとのファイナル第3戦(47得点)以来3年ぶり。カリーのポストシーズンキャリアで7回目の40得点超えとなる。
特に、第3Qでのショットメイクは圧巻。カリーのピック&ロールやオフボールのスクリーンアクションに対し、セルティックスのビッグマンが少しでもドロップすると、その一瞬の隙をついてクイックリリースからジャンプショットを次々とねじ込んだ。
▼第3Q残り3分でのプルアップスリーは完全にチート。カリーのハイ・ピック&ロールに対して、ホーフォードは3Pラインの外側まで飛び出していたが、それでも為す術なしだった
2022ファイナルでのカリーは、4試合でスリー成功率49%から34.3得点を平均中。このままウォリアーズがシリーズを制することができれば、カリーのファイナルMVPは確実だろう。
▼かつて4年連続でカリーと優勝を争ったレブロンもパフォーマンスを称賛
シリーズのホームコートアドバンテージを奪還したウォリアーズはカリーの他、クレイ・トンプソンが18得点、アンドリュー・ウィギンスが17得点とキャリア最多の16リバウンドをマーク。さらにベンチ出場のジョーダン・プールが20分の出場で14得点をあげて勝利に貢献している。
特にトンプソンとウィギンスは、2人とも終盤に攻守でステップアップ。トンプソンは第4Qに高確率でショットを決めつつ、ジェイレン・ブラウンに対して好守備。ウィギンスは勝負所でオフェンスリバウンドからプットバックをねじ込むなどファインプレイを連発して、チームに流れを引き寄せた。
テイタム不振
一方で敗れたセルティックスは、ジェイソン・テイタムが23得点、ジェイレン・ブラウンが21得点、マーカス・スマートが18得点、デリック・ホワイトが16得点をマークと、ガード/ウィング陣が奮闘。
第4Q残り5分を切った時点で4点リードを保持していたが、その後のクラッチタイムではインサイドを固めたウォリアーズ守備を切り崩せず。ドライブ&キックアウトからのスリーを繰り返すだけの単調なオフェンスに陥ってしまい、ラスト5分間を17-3の大差でアウトスコアされてしまった。
▼終盤の攻防
2勝2敗のイーブンとなった今年のファイナルでは、セルティックスのフランチャイズエースであるジェイソン・テイタムがやや精彩を欠いている。
今季プレイオフでのテイタムは、イースタンカンファレンスの3シリーズ18試合で27.0得点を平均。マストウィンだったバックスとのイースト準決勝第6戦で46得点をあげるなど、リーグを代表するスターフォワードに相応しい活躍を見せていたが、ウォリアーズとのシリーズ4試合ではFG34.1%から22.3得点と低迷中だ。
スリーを45.2%の高確率(31本中14本)で沈めているものの、その一方でリム周辺での得点力が安定しておらず、2Pの成功率が27.5%に落ち込んでいる。
ファイナル第4戦の試合後、セルティックスのイーメイ・ユドーカHCはテイタムの不振について、「ファウルをもらおうとしてフィニッシュを疎かにしてしまうことが度々ある」と指摘した。
セルティックスとしては、エースが本調子でない中、シリーズを2勝2敗のイーブンに持ち込めただけで上出来だと言えるかもしれない。2022ファイナル第5戦は、現地6月13日にウォリアーズ本拠地のサンフランシスコで行われる。
ボックススコア:「NBA」