D.ウェイド、マイアミを離れシカゴへ
2016年のFAは、サプライズだらけだ。
The Verticleによると、ドウェイン・ウェイドがマイアミ・ヒートから移籍する決断をし、現地6日に出身地のチームであるシカゴ・ブルズと2年/4750万ドルの契約で合意(2年目がオプション)。ケビン・デュラントに続いて、まさかウェイドまで長年プレーしたチームを離れることになることになるとは…。
「簡単な決断ではなかったが、僕自身と家族にとって正しい選択をしたと思っている」、ウェイドはAP通信にあてた声明文でそう綴った。
「ブルズを見ながら育ったことは、バスケットボール選手になる夢を追うためのインスピレーションを、幼かった僕に与えてくれた。僕の最も大切な思い出は、フェルミ・ハイスクールのコートで父親がプレーするのを眺めていたこと、そしてブルー・アイランド・レクリエーション・センターで練習に打ち込んだことだ。自分のルーツを忘れたことは一度もない。そして、僕のバスケットボール愛に最初に火を灯してくれたチームでプレーするチャンスを手にできて、ありがたく思っている」
2003年のドラフト全体5位指名でヒートに入団したウェイドは、ルーキーシーズンからチームをプレーオフに導くなど、デビューすぐから頭角を現し、13シーズンで23.7得点、5.8アシスト、4.8リバウンドを平均。12年連続のオールスター選出を果たしたほか、2006年にはシャキール・オニールと共にヒートを初優勝に導いてファイナルMVPを受賞、ビッグスリー時代の2010~2014年では4年連続ファイナル進出、NBA2連覇を達成するなど、チームのスーパースターとして輝かしいキャリアを送ってきた。
現時点でウェイドは、通算得点、アシスト、スティールの3項目でヒートのフランチャイズ最多記録を保持している。
▼ウェイドの通算スタッツと球団2位との差
▼D.ウェイド、2006ファイナル第5戦
ずっと球団の顔であり続けたウェイドだが、これまでに年棒がチーム最多だったことは1度もない。キャリア前半はシャキール・オニールやジャーメイン・オニール、2010年以降はレブロン・ジェイムスやクリス・ボッシュと、常に他の誰かがウェイドのサラリーを上回っており、フランチャイズ史上最もチームに貢献したプレーヤーでありながら、契約に関してはいつも2番手だった。
2014年には、ビッグスリー存続のため、2年/4200万ドルの高額契約をオプトアウトしたウェイドだったが、レブロンを引き留めることができず、その年は最終的に2年/3110万ドルの約25%ペイカットで残留合意。その一方で、ヒートはボッシュに5年/1億1800万ドルのマックスオファーを与えた。
今年のFAでも、チームはハッサン・ホワイトサイドとのマックス契約、さらにケビン・デュラントとの交渉を最優先し、ウェイドを後回しにした。報道によると、ヒートは最初、1年/1000万ドルでの再契約を提示したという。その後、2年/4000万ドルにまで額を引き上げたが、ウェイドは最初の低額オファーで愛想を尽かしてしまったのかもしれない。
とにかくこれで、ウェイドはロンド&バトラーとトリオを組むことになったわけだが、ブルズは一体どこに向かっているのか…?それぞれトップクラスの選手だが、3人ともボールを持たせてこそ活きるタイプなので、あまり上手くフィットするとは思えない。ホイバーグHCのペース&スペース・システムや、デリック・ローズ放出後に「チームを若返らせたい」としたガー・フォアマンGMの計画と、かなりズレが生じてきた気がする。
なおブルズは、ウェイド用のキャップスペース確保のため、フォワードのマイク・ダンリービーをキャブスに、ポイントガードのホセ・カルデロンをレイカーズにそれぞれトレード放出した。
Image by Keith Allison
参考記事:「Yahoo Sports」