デイミアン・リラード、もしトレードされるなら「マイアミかブルックリンがいい」
ここ数年では、オフシーズンに入るたびにトレードの噂が上がっていたポートランド・トレイルブレイザーズのデイミアン・リラード。ブレイザーズ一筋のキャリア11シーズン目を終えたばかりの今年も、さっそくリラードの一挙一動に注目が集まっている。
以下、今月上旬にリラードが出演したShowtime Sportsの番組『The Last Stand』での一幕。トレードの話題になった際、インタビュアーが“仮に”という前提で「マイアミ、ボストン、ニューヨーク、ブルックリンの4チームで移籍するならどこがいい?」と尋ねると、リラードは迷うことなく2チームを選んだ。マイアミ・ヒートとブルックリン・ネッツだ。
まずリラードは、「言うまでもなくマイアミ」と即答。今季のヒートは、プレイイン・トーナメント上がりの8位シードからNBAファイナル進出という大快挙を成し遂げたばかり。またヒートのオールスター、バム・アデバヨととても仲がいいらしく、「バムは俺の親友だから」と付け加えた。
続いてリラードは、「もう一つの明確なチョイス」としてブルックリン・ネッツと回答。昨季2月にケビン・デュラントのトレードでサンズからネッツへと移籍したミケル・ブリッジズとも“親友”らしい。ネッツはスーパーチーム崩壊で再建に突入したばかりだが、リラード的にはヒートと同じで「勝ちを狙えるロスター」だという。
インタビュアーの質問に答えるという形でヒートとネッツの2チームを選んだリラードだが、決して早急なトレード移籍を望んでいるわけではない。同じ番組の中で、あくまで理想は「ブレイザーズで優勝を狙うこと」だと強調した。
「自分の希望は明確にしてきたと思う。ポートランドで優勝できるチャンスが欲しい。そして今のブレイザーズは、優勝を狙えるチームを作るための十分なアセットを保有していると思う」
– デイミアン・リラード
さらに「10月に来シーズンが始まった時、君はポートランドにいると思う?」という質問に対して、リラードは「I do」と即答した。
今オフのブレイザーズは、2023年ドラフトロッタリーで全体3位指名権を獲得。またアンフェニー・サイモンズやシェアドン・シャープら有望な若手選手たちとも長期契約下にあり、チームに第2のスター級プレイヤーを呼び込めるだけのトレードアセットを保有している。
ドラフト上位指名権をトレードすることで、即席でチャンピオンシップチームへと進化した例は過去にいくつかある。例えば:
- レイカーズ:2019年ドラフト4位指名権(デアンドレ・ハンター)でアンソニー・デイビス獲得(2020年優勝)
- キャブス:2014年ドラフト1位指名権(アンドリュー・ウィギンス)でケビン・ラブ獲得(2016年優勝)
- セルティックス:2007年ドラフト5位指名権(ジェフ・グリーン)でレイ・アレン獲得(2008年優勝)
昨季のブレイザーズ同様、上記の3チームはいずれも大型トレードに乗り出す前シーズンではレギュラーシーズンで敗退。そうやって手に入れたドラフト上位指名権の見返りにスター選手を獲得したことで、それぞれが一夜にして強豪チームへと生まれ変わった。
ただブレイザーズが同じ軌跡を辿るのは決して簡単じゃない。まず2007年セルティックスと2014年キャブスの場合だと、両チームとも同じオフシーズン中にFAもしくはトレードでさらにもう1人のスーパースターを獲得して“ビッグスリー”を形成(セルティックスはケビン・ガーネット、キャブスはレブロン・ジェームズ)。今オフのブレイザーズに3人目のスター選手を呼び込むだけの余裕はなく、トレードを除いてできる最善策は、フォワードのジェレミー・グラントと再契約を結ぶことだろう。
また2019年レイカーズの場合は、新加入したスターはアンソニー・デイビス1人だったが、そもそもチームに全盛期のレブロンがいた。これは、どうやっても今のブレイザーズには真似できない部分だ。
リラードの望み通りアセット総放出で大勝負に出るのか、それともフランチャイズレジェンドとの決別を選択して一からの再建に乗り出すのか?今夏のブレイザーズの動きに注目したい。
参考記事:「Yahoo Sports」