ジョン・ウォールがロケッツとのバイアウト合意、クリッパーズ移籍を希望か
元オールスターPGのジョン・ウォールが来季優勝候補チームに加わる見込みだ。複数の現地メディアが報じている。
ESPNによると現地6月27日、契約残り1年だったウォールとヒューストン・ロケッツがバイアウトで合意に達した模様。これでウォールは今夏に制限なしのフリーエージェントとなる。
報道によれば、ウォールは今回のバイアウトにおいて、来季の契約金4740万ドルから650万ドルのペイカットを受け入れるとのこと。またESPNによると、ウェイバー期間終了後にFAとなるウォールは、ロサンゼルス・クリッパーズとの契約を望んでいるという。
ジョン・ウォール
ワシントン・ウィザーズ在籍した10シーズンでは、NBA屈指のポイントガードとして通算5回のオールスターに輝いた2010年ドラフト1位指名のウォール。その間にチームを4度のプレイオフ進出に導くなど順風満帆のキャリアを送っていたが(2015年にはオール・ディフェンシブ・チーム選出)、2018-19シーズン中盤に踵骨棘とアキレス腱断裂の怪我を続けて負い、そこから約2年にわたる戦線離脱を余儀なくされる。
その後、2020年のオフシーズンにラッセル・ウェストブルックとのスワップでウィザーズからロケッツへと移籍。2年ぶりに復帰した2020-21シーズンでは合計40試合に出場し、FG成功率でキャリアワーストとなる40.4%と苦戦しながらも20.6得点/6.9アシストの上々なスタッツを平均したが、ロケッツが完全な再建モードに入った昨季(2021-22)はシーズン全休に終わった。
▼ウィザーズ時代はリーグ屈指の2wayポイントガードだったウォール
2022-23クリッパーズ
1年間のブランがあるため、今のウォールがどれだけチームの勝利に貢献できる選手なのか考察するのは極めて難しい。
元々ウォールは、圧倒的なクイックネスとパスセンスで活躍していたタイプのポイントガード。一方でキャリア3P成功率が32.3%と、シューティングが常に弱点だった。
カギとなるのは、来季のウォールが1年の休養を経てどれだけ全盛期の身体能力を取り戻せるか?もしかつての80~90%程度のスピードを取り戻せるなら、クリッパーズにとって大きなプラスになる。報道によると、ウォールはタックスチームのミッドレベル例外枠(640万ドル)でクリッパーズとFA契約する見込みだ。
なおクリッパーズは、昨季2月に最小限のアセットでノーマン・パウエルとロバート・コビントンの有力ロールプレイヤー2人を獲得。また、膝の怪我で昨季を全休したエースのカワイ・レナードは、すでに制限なしの練習に参加できるほど完全回復しているとのこと。ウォールの加入を前提とすると、来季のクリッパーズは穴のない10選手ローテーションを組めるほど層が厚い。
▼2022-23クリッパーズのデプスチャート
- PG:レジー・ジャクソン、ジョン・ウォール
- SG:ポール・ジョージ、ルーク・ケナード、BJ・ボストン
- SF:カワイ・レナード、ノーマン・パウエル、テレンス・マン
- PF:マーカス・モリス、ロバート・コビントン
- C:イビチャ・ズバッチ
センターポジションがやや手薄ではあるが、クリッパーズの真骨頂はスペーシングに特化した5アウトのラインアップ。カワイ・レナードとポール・ジョージのスターデュオをシューターで囲む布陣が最強だ。特にマーカス・モリスもしくはロバート・コビントンを5番に置くスモールラインアップでは、ウォールの良さを最大限に引き出せるだろう。
参考記事:「ESPN」