ケンバ・ウォーカーがセルティックスへ
2019NBAフリーエージェンシーが解禁となった現地6月30日、オールスターのケンバ・ウォーカーがデビューから8年間を過ごしたシャーロット・ホーネッツを退団し、ボストン・セルティックスと契約を結ぶことで合意した模様。ESPNのAdrian Wojnarowski記者がウォーカーの代理人から得た情報として伝えている。
報道によると、ウォーカーの契約内容は4年/1億4100万ドルのマックス契約とのこと。契約が正式に成立するのは、モラトリアム期間が終了する現地7月6日の正午以降となる。
ウォーカーはホーネッツでの8シーズンで19.8得点、5.5アシストを平均。キャリア中盤あたりからスリーやピック&ロールでのパスさばき、ドローファウルなど得点力の高いスターPGとして必要なスキルを大きく伸ばし、昨季はキャリアハイとなる平均25.6得点を記録してオールNBAサードチームに選出された。
▼11月にはキャリア最多の60得点
ウォーカーはセルティックスへの移籍について、「キャリアで最も難しい決断の一つだった」と話している。
「最も辛いのは、8年間を過ごしたこの街と球団を離れなければならないこと。シャーロットは僕がこのリーグで子供から大人になるための最初の機会を与えてくれた。この場所を心から愛している。本当に難しい決断だった。でも僕が夢を追いかけて実現させるためには必要なことだったんだ」
– ケンバ・ウォーカー
ウォーカーとしてはホーネッツに残留したい気持ちも強かったそうだ。ただシャーロットのスポーツラジオ『WFNZ-AM/FM』によると、ウォーカーは本来のマックス(1億9000万ドル)よりも年300万ドルほど少ない5年1億7500万ドルでの再契約を希望していたそうだが、ホーネッツのオファーはそれよりもさらに低い金額(約1億6000万ドル)だったため、交渉が決裂したという。
新体制セルティックス
同日には、カイリー・アービングがブルックリン・ネッツとの契約に合意。これにより、ボストン・セルティックスは新章に突入する。
ウォーカーのプレイスタイルは、セルティックスの先発PGだった前任2人、カイリー・アービングとアイザイア・トーマスによく似ている。3人ともオンボールでの得点力が非常に高く、ピック&ロールが最大の武器。ただオフボールのプレイを見ると、ウォーカーはアービングよりもトーマス寄りだと言えるだろう。
トーマスと同様、ウォーカーはドリブル・ハンドオフからの攻めや、オフスクリーンからのキャッチ&シュートも得意。スコアラーとしての能力はアービングの方が高いが、セルティックスのチームオフェンスやケミストリー的にはウォーカーの方が相性が良いかもしれない。
NBA.comのデータによると、昨季のウォーカーは1試合当たりのピック&ロール回数でリーグ1位の数字を記録(100ポゼッション当たり約56回とオフェンスの半分以上がピック&ロールによるもの)。
完全なワンマンチームだったホーネッツはウォーカーのオンボールスキルに依存するしかなかったが、セルティックスはヘイワードやテイタム、スマートらボールハンドリングを任せられる選手が複数いるので、ウォーカーはオフボールで活躍する機会が増えるはず。ブラッド・スティーブンスHCがどのようにウォーカーを起用するのか楽しみだ。
なお同日には、大ベテランのアル・ホーフォードが76ersとの契約合意でチームから退団。さらにアーロン・べインズも10日前にサンズへとトレード放出されているため、セルティックスはフロントコートがかなり手薄な状態となっている。しかもウォーカーとマックス契約を結んだことでサラリーキャップが埋まったので、ロスター補強のための術がミニマムサラリーかMLE(480万ドル)しか残っていない。
もちろんヘイワードかスマートのどちらかをサラリーダンプしてスペースをこじ開ける選択肢はあるが…。
参考記事:「ESPN」