正念場で4本のエアボール、コービーにもこんな時代があった
どんなにすごい選手でも必ず一度は大きな挫折を経験する。
以下は、1997年NBAプレイオフのウェスタンカンファレンス・セミファイナル、レイカーズがシリーズ1勝3敗の崖っぷちで迎えた第5戦の映像だ。
試合は第4Q残り10秒で89対89の同点という緊迫した場面。レイカーズは当時ルーキーだったコービー・ブライアントに勝負を託すが…。
シーズンがかかった正念場で、コービーは4本のエアボールを連発してしまった。いくらルーキーとはいえ、プロの世界ではありえないような大失態。
その結果、ジャズがオーバータイムで勝利し、レイカーズのプレーオフ敗退が決定。いつも意気揚々で生意気だった18歳少年の自負心が、完全に打ち砕かれた瞬間だ。
普通なら心が折れて、ちょっとしたトラウマになりかねないようなルーキーシーズンの締めくくり方だが、コービーの自信が消えうせることはなかった。その後も自分の可能性を信じて、大事な局面でボールを要求し続けた。
パスを出さないセルフィッシュなプレーヤーというレッテルを張られても、臆することなく難しいシュートを打ち続けた。それこそ血のにじむような日々の努力により結果を残し、少しずつ周囲の否定的な声を黙らせていった。そうやってコービーは歴代屈指のクラッチプレーヤーと呼ばれるようになった。
▼コービー・ブライアント、キャリア通算決勝ゴール28本
▼81得点
以前、ネッツのデロン・ウィリアムスが、試合でシュート成功数9本中0本という散々な結果を残したことがあった。コービーはその時のウィリアムスについてこんなコメントを残している。
「9本中0本で終わるくらいなら、俺ならば30本中0本までやる。9本中0本で終わったということは、自分自身に負けたということ。自分からゲームを逃げ出してしまったということだ。デロン・ウィリアムスほどの選手なら、もっとシュートを打てるはずだろう。そうしなかった唯一の理由は、自分に自信を無くしてしまったからだ」
– コービー
Image by Keith Allison/Flickr
Video:「YouTube」