「カワイは最もジョーダンに近い」、リバースHCの発言でLACにタンパリングの罰金処分
NBAは現地5月31日、リーグのタンパリングルールに違反したとして、ロサンゼルス・クリッパーズに5万ドルの罰金処分を科したことを発表した。
リーグが問題視したのは、クリッパーズのドック・リバースHCがESPNのファイナル特番で発したコメント。トロント・ラプターズのカワイ・レナードについて、「マイケル・ジョーダンに最も近い選手」と評価した発言がタンパリングの規定違反とみなされた模様だ。
「(レナードは)最もジョーダンに近い。偉大な選手はたくさんいる。レブロンは素晴らしいし、KDも素晴らしい。レナードがジョーダンと同じというわけではないが、最も近いのは彼だろう。巨大な手、ポストアップのスキル。フィニッシュ力があり、跳躍力が高く、守備も素晴らしい。ディフェンダーは彼の得意なスポットに先回りしようとすれば、パワーで弾き飛ばされてしまう。そこにスリーポイントショットもプラスだ」
– ドック・リバース
この時のリバースHCは、何も急にレナードの大絶賛をぶち込んできたわけではなく、マジック・ジョンソンから話を振られたので自分なりの選手評価をシェアしたまで。しかもファイナル開幕直前の特別番組で。
NBAのヘッドコーチたちが試合後の記者会見で相手チームの選手を称賛したり評価したりするのは良くあることかもしれないが、テレビやSNSを通してそれをやると発言内容によっては“不正交渉”とみなされアウトになる。
NBAコミッショナーのアダム・シルバーは今回のクリッパーズへの罰金処分について、「現役選手についてコーチたちの意見を聞きたいというメディアの関心は理解できる。だがそこはリーグとして明確な線を引いている部分であり、容認することはできない」と説明した。
「ヘッドコーチやチームの管理職の人たちがそういった状況に立たされた時は、「リーグから許可されていないのでその質問には答えられない」と言うべきだ」
– アダム・シルバー
今夏FAではケビン・デュラントと並んで目玉選手の一人となるカワイ・レナード。シーズン開幕前は生まれ故郷であるロサンゼルスでプレイすることを望んでいると報じられ、現時点で次の契約先の最有力候補に挙がっているのがクリッパーズだ。
ESPNが昨年12月に伝えたところによれば、今季はクリッパーズの職員が度々ラプターズの試合観戦に訪れていたとのこと。その頻度は開幕2カ月の時点で7割以上だったそうで、時にはローレンス・フランクGMがアリーナに姿を見せることもあったという。まるで大学バスケのスカウティングだ。
『TSN Sports』のJosh Lewenberg記者によると、ラプターズはクリッパーズの勧誘活動ともとれる行動について何度もリーグに抗議を申し立てていた様子。
参考記事:「ESPN」