ルカ・ドンチッチがスペインリーグ制覇
2018年NBAドラフトに向けて完璧な締めくくり。上位指名候補のルカ・ドンチッチが所属するレアル・マドリードが、ユーロリーグとスペインリーグの2冠達成だ。
スペインのプロバスケットボールリーグ「リーガ・エンデサ(ACB)」では現地19日、レアル・マドリードとサスキ・バスコニアとの間で2018年チャンピオンシープゲーム第4戦が行われ、レアル・マドリードが96-85で勝利。シリーズを3勝1敗とし、史上34回目となるリーグ優勝を果たした。
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第4戦でのレアル・マドリードは、元ポートランド・トレイルブレイザーズのルディ・フェルナンデスがゲームハイ27得点でチームを引っ張り、MVPを受賞。ルカ・ドンチッチは29分の出場でFG6本中2本成功の8得点と絶好調とは言えなかったが、3点差で迎えた第4Q残り2分40秒の勝負所では、ショットクロックギリギリで決定打となるミラクルショットを沈めた。
▼3Pラインからステップバックのフローター
これで今季のドンチッチは、ACB優勝、ユーロリーグ優勝、ユーロリーグMVP、ファイナル4 MVPを史上最年少で達成した選手となった。現地6月21日に開催される2018年NBAドラフトでは、フェニックス・サンズが全体1位指名権でアリゾナ大のディアンドレ・エイトンを獲得すると予想されており、ドンチッチは2位(キングス)か3位(ホークス)で指名を受けるだろうとの見方が強い。なぜかここ一週間では、「球団からの評価が下がっている」「4~5位指名まで落ちるかもしれない」などといった噂が飛び交っていたが、さすがにそれは考えにくい。
スロベニア出身のドンチッチは、ポイントガードのボールキープ力を持った身長203cmのフォワードで、まだ10代とは思えないほどスキルレベルが高い。特にピック&ロールの指揮とそこから放たれるパスはすでに超一流。またNCAAよりもレベルが高いユーロリーグで、19歳という若さながらエースとしてこれだけの大成功を収めたことを考えれば、精神的なタフネスの面でも問題ないはずだ。
その一方で、身体能力がそれほど高くないため、よりアスレチックなNBAディフェンダー相手に長所を発揮できるかどうかという懸念の声もあるが、フィジカル面でのデメリットを補えるバスケットボールIQを持っている。身体能力が問題といっても、ウェストブルックやレブロンといった“スーパースターのボールハンドラー”と比べると劣るというだけで、NBAで十分に通用するレベルだろう。
オールスイッチのディフェンスを相手にした場合や、守備面でのマンツーマンで最初は苦戦するかもしれないが、ポテンシャルの高さは今季ドラフトのどの選手にも負けていない。才能を開花させれば、ジェイムス・ハーデンクラスの選手、あるいは身長2m超えのマヌ・ジノビリ/スティーブ・ナッシュのようなとんでもない選手に成長するかもしれない。
参考記事:「ボックススコア」