グリズリーズがついにチャンドラー・パーソンズと決別
NBAでは現地3日、メンフィス・グリズリーズとアトランタ・ホークスがトレードで合意。グリズリーズはフォワードのチャンドラー・パーソンズを放出し、ホークスからソロモン・ヒルとマイルズ・プラムリーの2選手を獲得する。
ESPNのAdrian Wojnarowski記者によると、最初グリズリーズはパーソンズとバイアウトの交渉をしたが合意に至らず、そのためホークスとのトレードに踏み切ったという。
トレードされた選手は3人とも契約最終年。取引されたサラリー額もパーソンズの2510万ドルと、プラムリー(1250万ドル)&ヒル(1275万ドル)でほぼイーブンとなった。
今回のトレードでグリズリーズは、パーソンズのサラリーを二分割することに成功。1つの高額契約を2つの契約に変えることで、それらのサラリーを動かしやすくなる。一方のホークスは、2対1のトレードをすることでロスター枠を1つ空けた。
ロケッツ/マブス時代にオールラウンダーとして頭角を現し、2016年夏に5年9400万ドルの大型契約を獲得したパーソンズだが、グリズリーズでは1年目から膝の怪我に悩まされ続け、過去3シーズンでの合計出場試合数はわずか95試合。その間に7.2得点、2.6リバウンドを平均とサラリーに見合う活躍がまったくできないまま、契約最終年を迎えることとなった。
パーソンズはスリーやボールハンドル、プレイメイクに優れた万能タイプのフォワードで、オンボールでピック&ロールの指揮もできる。コンディションさえ維持できれば理想的なシックスマンになれる選手だっただけに、全盛期の大部分を怪我に奪われてしまったのは本当に残念だ。
▼パーソンズは「後半スリー成功数」の歴代記録保持者
パーソンズがスタークラスの高額契約を手にした2016年フリーエージェンシーは、多くの球団にとって苦い経験となった。
その年のオフシーズンは、サラリーキャップ上限が7000万ドルから9400万ドルへと大幅に上昇。そのおかげでウォリアーズはチームのコアを崩すことなくケビン・デュラントとFA契約を結ぶことが可能になり、同時にロールプレイヤーたちの契約額がインフレした。だが翌2017年オフシーズンは予想されていたよりもキャップ上限が伸びず、スタープレイヤーを除く2016年FA選手たちの多くが相対的に“割高契約”となる。
例えば、パーソンズの5年9400万ドルをはじめ、ティモフェイ・モズゴフ(4年/6400万ドル)やケント・ベイズモア(4年/7000万ドル)、ルオル・デン(4年/7200万ドル)、ジョアキム・ノア(4年/7200万ドル)、ビスマック・ビヨンボ(4年/7000万ドル)、ライアン・アンダーソン(4年/8000万ドル)、ハリソン・バーンズ(4年/9400万ドル)など。
その多くが不良債権と見なされるようになり、それらを背負い込んでしまったチームはサラリーダンプでキャップスペースをこじ開けるために、将来有望な若手選手(ディアンジェロ・ラッセル)やドラフト1巡目指名権など貴重なアセットを手放さざるを得ない状況に追い込まれることとなった。
参考記事:「ESPN」