2020-21シーズンNBAアワードのファイナリストが決定
NBAでは現地20日、MVPや新人王をはじめとした2020-21レギュラーシーズンアワードのファイナリスト(各3名)が発表された。
MVP
- ニコラ・ヨキッチ:26.4得点、10.8リバウンド、8.3アシスト
- ステフィン・カリー:32得点、5.0リバウンド、5.8アシスト
- ジョエル・エンビード:28.5得点、10.6リバウンド、2.8アシスト
投票権を持つ現地メディアメンバーらの記事や発言を見る限り、2021年MVPの最有力候補はぶっちぎりでデンバー・ナゲッツのニコラ・ヨキッチだ。
ヨキッチは今季72試合すべてに出場し、シーズン通算得点でリーグ5位(1898点)、通算アシストで3位(599本)、通算リバウンドで5位(780本)の数字を記録。得点/アシスト/リバウンドの3項目でそれぞれシーズン通算トップ5に入った選手は、過去にウィルト・チェンバレンしかいない。
ヨキッチの他のファイナリスト2人も、平均スタッツではMVPに相応しい数字をマーク。ただステフィン・カリーはチーム順位(8位)、ジョエル・エンビードは出場試合数(51試合)が足枷となっている。
なおヨキッチとエンビードがMVP得票数でトップ3に入るのは、それぞれ今回がキャリア初。76ersの選手としては2001年のアレン・アイバーソン以来20年ぶり。ナゲッツの選手としては1978年のデイビッド・トンプソンに次いで球団史上2人目だ。
もしヨキッチがMVPを受賞すれば、フランチャイズ史上初の快挙となる。
他のアワードのファイナリストは以下の通り:
新人王
- アンソニー・エドワーズ:19.3得点、4.7リバウンド、2.9アシスト
- ラメロ・ボール:15.7得点、5.9リバウンド、6.1アシスト
- タイリース・ハリバートン:13.0得点、3.0リバウンド、5.3アシスト
今年のルーキー・オブ・ザ・イヤーは、1位指名のアンソニー・エドワーズと3位指名のラメロ・ボールの一騎打ちだ。
エドワーズが72試合フル出場で今季新人で最多得点を記録したのに対し、ボールはアシストとスティールでルーキー首位の数字をマークしつつ、NBA史上最年少でのトリプルダブルを達成。ルーキーズ・オブ・ザ・マンス(月間新人賞)の受賞数は、それぞれ3回となっている。
シーズン前半は、ラメロ・ボールが独走状態だったが、3月下旬から手首骨折により約6週間を戦線離脱。その間にエドワーズが一気に差を詰めた印象だ。
なお2人のチーム成績は、ボールのシャーロット・ホーネッツが33勝39敗で、エドワーズのミネソタ・ティンバーウルブズが23勝49敗となっている。
DPOY
- ルディ・ゴベア
- ドレイモンド・グリーン
- ベン・シモンズ
今季NBAのディフェンシブ・レーティング(守備効率)では、ベン・シモンズの76ersがリーグ2位、ルディ・ゴベアのユタ・ジャズが3位、ドレイモンド・グリーンのウォリアーズが5位だった。
シモンズはPGからビッグマンまでマッチアップできるリーグ屈指のオールラウンド・ディフェンダー。ただ今季の76ersでは、ジョエル・エンビードこそが守備の要だと言えるかもしれない。
3Pヘビーなオフェンスの進化により、以前よりもペリメーター守備が重視されるようになった近年のNBA。それでも依然として、リムの封鎖はディフェンスで最優先すべきキーポイント。ペイントエリアでの存在感では、やはりルディ・ゴベアが突出している。
守備におけるインパクトの面では、ゴベアがDPOY最有力候補かもしれないが、“守備の司令塔”として若手の多いチームをリーグトップレベルのディフェンスに導いたドレイモンド・グリーンのディフェンスIQの高さも高く評価されるべきだと思う。
シックスマン賞
- デリック・ローズ
- ジョーダン・クラークソン
- ジョー・イングルス
MIP
- ジュリアス・ランドル
- マイケル・ポーターJr.
- ジェレミー・グラント
今年のMIP(最も成長した選手)はジュリアス・ランドル一択。平均スタッツの伸び幅では、マイケル・ポーターJr.とジェレミー・グラントの方が大きいかもしれないが、ランドルはチームの絶対的エースとしてニックスを8年ぶりのプレイオフに導いた実績がある。
特に今季のランドルは、スリー成功率(41.1%)でキャリアハイを更新と、シューターとしても大きく成長した。
コーチ・オブ・ザ・イヤー
- モンティ・ウィリアムズ(サンズ)
- トム・シボドー(ニックス)
- クイン・シュナイダー(ジャズ)
※ ※ ※
なお、当ブログが選ぶNBA2020-21アワード受賞者は以下の通り:
- MVP:ニコラ・ヨキッチ
- 新人王:アンソニー・エドワーズ
- DPOY:ドレイモンド・グリーン
- シックスマン賞:ジョー・イングルス
- MIP:ジュリアス・ランドル
- コーチ賞:トム・シボドー(ニックス)
シックスマン賞に関しては、ジョー・イングルスは67試合中30試合が先発出場だったため、クラークソン(68試合中1試合先発)とローズ(50試合中3試合先発)に比べて“シックスマン”さが薄いのは否めない。
参考記事:「NBA」