ブルックリン・ネッツ、18年ぶりにイースト首位浮上
ブルックリン・ネッツは現地3月31日、バークレイズ・センターで行われたヒューストン・ロケッツ戦に120-108で勝利。シーズン33勝15敗とし、ついにイースト単独首位に躍り出た。
NBAによると、ネッツがシーズン後半でカンファレンス1位に浮上するのは、ジェイソン・キッドがチームを率いていた2003年以来初で18年ぶりとのこと。その年のネッツは、プレイオフでイーストを制し、ファイナルまでコマを進めている。
この日のネッツは、前半の18点ビハインドから大逆転。試合の大部分でロケッツに主導権を握られていたが、6点差で迎えた第4Q残り7分から22-2のランで猛反撃を展開し、残り時間1分には14点リードを奪取して勝利を確実にした。
ネッツは、カイリー・アービングが31得点、12アシストでチームを牽引。ジョー・ハリスがスリー12本中7本成功から28得点で勝利に貢献している。
外のシュートが不発だったジェイムス・ハーデンは、第3Qまでの27分のプレイタイムで17得点/6アシストをマークするも、ハムストリング負傷により途中退場。ネッツのスティーブ・ナッシュHCは試合後、ハーデンのコンディションについて「翌日のホーネッツ戦出場は様子を見る」としつつ、「長期離脱が必要な怪我ではないだろう」と前向きなコメントしている。
スターターの他には、ブレイク・グリフィンが11得点、6リバウンド、4アシストを記録。特にラスト5分のクラッチタイムだけで6得点/3アシスト/3リバウンドを獲得と、カムバックの原動力の一因となった。
ハーデンはMVP?
開幕7勝6敗でスタートした今季ネッツだが、ハーデン加入後の35試合では26勝9敗の好成績を記録。シーズンの約3分の2を終えた時点で、18年ぶりのカンファレンス首位浮上を果たした。
特にここ22試合でのネッツは19勝3敗と絶好調。その間に、ケビン・デュラントが21試合、カイリー・アービングが6試合をそれぞれ欠場しているにもかかわらずだ。ハーデンを獲得していなければ、今のネッツの好成績はあり得ない。
今季のハーデンは、41試合で25.9得点、11.1アシスト(リーグ1位)、8.2リバウンドを平均。連続で得点王に輝いた過去3シーズンに比べて平均得点は大きく落ちているものの、ネッツのニーズに合わせて、これまでの得点メインからプレイメイクメインへと見事にシフトしている。
ハーデンは、チーム成績と個人スタッツのどちらを考慮しても、今季MVPレースの先頭にいるべき活躍ぶり。ただMVP投票権を持つ現地メディアメンバーのブログ記事やツイート、ポッドキャストなどでの発言を見ると、ハーデンを最有力候補とする声は意外と少ない。
その理由は、ハーデンのパフォーマンスではなく、移籍時の騒動がマイナスになっている様子。トレード要求してスーパーチームへと移った選手を、“最も価値のあるプレイヤー”(MVP)とするのは少し抵抗があるようだ。なお、シーズン途中でトレードされた選手がMVPを獲得したケースは過去にない。
今季のMVPレースは、近年で類を見ないほどの大混戦だ。シーズン前半で有力候補だったジョエル・エンビードとレブロン・ジェームズは、どちらも負傷により数週間の長期離脱を余儀なくされている。
エンビードは今週にも復帰する見込みだが、すでにシーズンの4分の1近くを欠場しており、ここから巻き返すのは極めて難しい状況。3月20日に戦線離脱したレブロンも、今のところ復帰の目処は立っていない。
他には、ナゲッツのニコラ・ヨキッチとバックスのヤニス・アデトクンボが有力候補だが、ヤニスはMVP連覇した昨季と比べて、チーム成績と個人スタッツの両方が落ちているため、票を集めるのが難しそう。
ヨキッチはスタッツ面でMVPに最も相応しい数字を記録しているが、一方でチーム成績が弱い(現在29勝18敗でウェスト5位)。過去40年のNBAで、カンファレンス4位シード以下のチームからMVPが選ばれたのは、30得点トリプルダブルを平均した2017年のラッセル・ウェストブルックしかいない。
ボックススコア:「NBA」