ニコラ・ヨキッチが2021-22シーズンのMVP選出、史上13人目の連続受賞
NBAは現地5月11日、2021-22シーズンのMVP受賞者を正式に発表。デンバー・ナゲッツのニコラ・ヨキッチが2シーズン連続で選出された。
100人のスポーツライター/ブロードキャスターたちによる投票の結果、ヨキッチは100票中65票の1位票から875ポイントを獲得。2位はフィラデルフィア・76ersのジョエル・エンビードで706ポイント(1位票26票)、3位はミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボで595ポイント(1位票9票)だった。
▼ナゲッツの重役たちがヨキッチ母国のセルビアまで駆け付けてサプライズ。ヨキッチは感激の涙
▼MVP投票Top5詳細
1位票 | 2位票 | 3位票 | pts | |
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ニコラ・ヨキッチ | 65票 | 27票 | 6票 | 875 |
ジョエル・エンビード | 26票 | 39票 | 34票 | 706 |
ヤニス・アデトクンボ | 9票 | 32票 | 52票 | 595 |
デビン・ブッカー | 0票 | 1票 | 8票 | 216 |
ルカ・ドンチッチ | 0票 | 1票 | 0票 | 146 |
シーズン中盤からヨキッチ/エンビード/アデトクンボによる壮絶なデッドヒートが繰り広げられた今季のMVPレース。1位票だけ比較すると、ヨキッチが大差で勝利したようにも感じられるが、実際は2005-06シーズンのスティーブ・ナッシュ(57票)以降で最も少ない1位得票数でのMVP選出となる。
今季のヨキッチは、74試合の出場で27.1得点、13.8リバウンド、7.9アシストを平均。1シーズンの通算スタッツで2000得点/100リバウンド/500アシストを記録した史上初の選手となり、ナゲッツの2番手/3番手であるジャマール・マレーとマイケル・ポーターJr.が不在の中、チームを48勝、6位シードに導いた。
2シーズン連続でのMVP選出は、ヨキッチがNBA史上13人目。
- ビル・ラッセル
- ウィルト・チェンバレン
- カリーム・アブドゥル・ジャバー
- モーゼス・マローン
- ラリー・バード
- マジック・ジョンソン
- マイケル・ジョーダン
- ティム・ダンカン
- スティーブ・ナッシュ
- レブロン・ジェイムス
- ステフィン・カリー
- ヤニス・アデトクンボ
- ニコラ・ヨキッチ
なお2021-22シーズンMVP投票の4位は、フェニックス・サンズの63勝に大貢献したデビン・ブッカー。5位は、ダラス・マーベリックスを7シーズンぶりの50勝超えに導いたルカ・ドンチッチだった。
海外勢の時代
2006-07シーズンにドイツ出身のダーク・ノビツキーが受賞して以降、11年間にわたってアメリカ人選手が独占していたNBAのMVPアワード。それが一転、2018-19シーズンからは4年連続で海外出身の選手が選出されている。
- 2018-19:ヤニス・アデトクンボ(ギリシャ)
- 2019-20:ヤニス・アデトクンボ(ギリシャ)
- 2020-21:ニコラ・ヨキッチ(セルビア)
- 2021-22:ニコラ・ヨキッチ(セルビア)
また今年のMVP投票で1位票を獲得したのも、ヨキッチ(セルビア)、エンビード(カメルーン)、アデトクンボ(ギリシャ)の3選手のみ。上位5選手中4選手(ブッカー以外)がアメリカ国外出身だった。
今のNBAは、かつてないほどインターナショナル勢が躍動している時代。今季MVPレースでトップ5に入ったヨキッチ、エンビード、アデトクンボ、ドンチッチの4人は、いずれも伸びしろのある20代の全盛期だ。
さらにフランス出身で2023年NBAドラフト1位指名候補のビクター・ウェンバンヤマは、すでにリーグのスカウトやアナリストたちから“10年に1人レベルのトップ・プロスペクト”との評価を受けている超逸材の万能7フッター。2020年代は、海外勢がMVP争いを圧倒することになるかもしれない。
▼ウェンバンヤマはポルジンギスを限凸したようなプロスペクト
一方でUSA勢も、ジェイソン・テイタムやトレイ・ヤング、ジャ・モラント、ザイオン・ウィリアムソン、ケイド・カニングハムをはじめ、次世代の“NBAの顔役”になれるポテンシャルを持った若手タレントが豊富。来季こそは、ザイオン・ウィリアムソンが完全復活できることを祈るばかりだ。
参考記事:「NBA」