パウ・ガソルがコービーとの出会いについて語る
現役復帰を目指してリハビリ中のパウ・ガソルが、ESPNのポッドキャスト番組「The Lowe Post」に出演し、ロサンゼルス・レイカーズへの移籍が決定した時のエピソードを明かした。
ガソルは2008年にメンフィス・グリズリーズからレイカーズへとトレード移籍。当時のグリズリーズはちょうど再建期にあり、移籍はガソル自身が望んだものだったが、いざトレードが実現した時は、デビューから6年半を過ごしたチームを離れる悲しみと不安の気持ちが大きかったそうだ。
そんなガソルに新天地で最初に声をかけたのは、コービー・ブライアントだったという。
ガソルは移籍後初めてコービーと交わした会話について、次のように話した:
「移籍後すぐだったと思う。ロサンゼルスで身体検査をクリアしてから、ワシントンD.C.で遠征中のチームと合流した。レイカーズは翌日に試合を控えていたけど、僕は出場しない予定だった。まだ1度も新しいチームで練習できていない状態だったからね」
「コービーはトレードが決まった時からずっとメールをくれていた。そして僕がワシントンD.C.に着いたその日に、僕と会って話がしたいと言ってくれた。ホテルに着くのが深夜になる予定だったので、コービーに『午前1~2時になるかも。遅くなるから明日でもいいよ』と伝えたんだ。するとコービーは『いや、今日行くから』と言って、本当に部屋まで来てくれたんだ。嬉しいサプライズだったよ」
「そこでコービーはこう言った、『お前がチームに来てくれてうれしい。最高の気分だよ。さあチャンピオンシップを勝ち取りにいこう』と。チームの方向性や彼の人間性、そして僕がどんなマインドセットで臨むべきか。初めて話したその日に、彼はそういった部分を明確に伝えようとしてくれたんだ。プレイオフで負け続ける日々はもう終わり。ここ(レイカーズ)では優勝を狙いに行ける。彼はリーダーシップを示してくれた。とても有意義で新鮮な体験だったよ」
コービーとの初会合から3日後、ネッツ戦でレイカーズデビューしたガソルは24得点、12リバウンド、4アシストで大活躍。この日のレイカーズはコービーがわずか6得点に終わったが、それでも15点差でネッツに圧勝した。
この時にコービーは、ガソルがいれば優勝を狙えると確信したのだろう。試合後のサイドラインインタビューで、「神様はいるんだ」と満面の笑みで喜びを語っていた。
「ガソルはとても万能なプレイヤーだ。外のシュートを打てるし、素晴らしいパスセンスとポストムーブを持ち合わせている。彼がフロアにいることで、対戦相手は僕に対してバックサイドでのゾーンを仕掛けるのが難しくなる。ガソルはポストでの得点力が高いのでダブルチームが必要。だから相手チームのディフェンスはシフトし続けなければならなくなる」
– コービー・ブライアント
バスケットボールIQの高いガソルは、少し難解とされるトライアングル・オフェンスにすぐに順応。レイカーズは2008年プレイオフでビッグ・スリーのボストン・セルティックスに敗退することとなったが、翌2009年にオーランド・マジックを撃破して優勝すると、2010年ファイナルではセルティックスにリベンジを果たして2連覇を達成した。
ソース:「The Lowe Post」