ドウェイン・ケイシーがピストンズの新HCに就任
デトロイト・ピストンズは現地11日、元トロント・ラプターズのヘッドコーチで今季コーチ・オブ・ザ・イヤー候補のドウェイン・ケイシーがチームの次期HCに就任することを発表。契約の詳細はチームから明かされていないが、ESPNのAdrian Wojnarowski記者によれば、契約期間は5年だという。
ケイシーHCは2011年からの7シーズンでラプターズの指揮を務め、チームを通算320勝238敗に牽引。ドアマットチームだったラプターズをプレイオフ常連へと進化させた立役者の一人であり、2017-18シーズンには球団新記録となる59勝23敗の好成績を残したが、カンファレンス準決勝で再びキャブスにスウィープされ、シーズン終了と同時に解雇された。
一方で2017-18シーズンのピストンズは、序盤こそ好調だったものの、年明けあたりから大失速して勝率5割以下に転落。1月末にトレードでブレイク・グリフィンを獲得して大きな勝負に出たが上手くいかず、2月以降の33試合では16勝17敗に終わっている。結果として2年連続でプレイオフを逃すこととなり、ヘッドコーチ兼球団社長だったスタン・ヴァン・ガンディの解任につながった。
ケイシーHCは同日、ESPNのラジオ番組に出演し、「最優先事項はグリフィンの健康状態を維持すること」と新天地での仕事についてコメント。さらにデマー・デローザンの時と同じく、グリフィンのプレイの幅をもっと広げていきたいと話した。
「グリフィンがプレイの幅を広げられるように後押しする。彼のプレイ範囲を3Pラインにまで広げさせ、それからボール運びなどポイント・フォワードとしての仕事もいくつか任せるつもりだ。彼はローポストでバックダウンするだけの選手ではないからね」
– ドウェイン・ケイシー
昔はダンカーとしてのイメージが強かったグリフィンだが、キャリアを重ねるとともにオールラウンドビッグへと進化。最大の魅力はプレイメイキング力の高さだろう。ドラモンドとの相性も思った以上に良かった。これからケイシーHCの指揮下でどんな成長を遂げられるのか楽しみだ。
▼グリフィン&ドラモンドをシューターで囲めれば面白いチームになりそうだが…
現時点で大型契約を3つ(グリフィン、ドラモンド、レジー・ジャクソン)抱えているピストンズは、キャップスペース的にほとんど身動きの取れない状態。しかもその状態が2019-20シーズンまで続く(ドラモンド放出など大きなトレードをしない限り)。
しかも今夏はドラフト1巡目指名権を持っておらず(グリフィントレードで放出)、FAでもスペースに空きがないため、ロスター強化に使えるのはミッド・レベル・エクセプション(MLE)のみだ。
ケイシーHCが受け継いだ仕事は決して簡単なものではないが、ラプターズを立て直したその再建手腕に期待がかかる。
参考記事:「NBA」