ペリカンズが次期ヘッドコーチにスタン・バン・ガンディ獲得
アルビン・ジェントリーの後釜として、スタン・バン・ガンディがニューオリンズ・ペリカンズのヘッドコーチに就任することが決定した模様。
バン・ガンディ本人がTwitterでペリカンズ加入を伝えた。
「才能豊かなニューオリンズ・ペリカンズに加入できて嬉しい。選手たちはもちろん、ミセス・ベンソン(オーナー)、デイビッド・グリフィン(球団社長)、トレイジャン・ラングドン(GM)、そしてチームのスタッフやニューオリンズの人たちと一緒に仕事できることを光栄に思います。選手たちと会って、プロセスを始めるのが待ち遠しい」
これまでにマイアミ・ヒート、オーランド・マジック、デトロイト・ピストンズの3チームを指揮した経歴を持つバン・ガンディは、HCキャリア12シーズンで通算523勝384敗の好成績を記録した。
2005年のシーズン序盤にヒートHCを退任したため、リーグ制覇の称号こそ手にできなかったものの、2008-09シーズンにはマジックを球団史上2度目のファイナルへと牽引。他にも、2度のオールスターゲームHCや6回のコーチ・オブ・ザ・マンス選出など実績を残している。
ここ2年間のバン・ガンディはコーチング職から離れ、NBAのコメンテーター/アナリストとしてメディアで活躍。各チームの戦略や課題などを分かりやすく説明する鋭い分析力が大好評だった。
ザイオン
ペリカンズを指揮するにあたって、バン・ガンディHCに課される最も大きな課題は、チーム全体としての成長はもちろんだが、それ以上に10年に1度の逸材とも言われるザイオン・ウィリアムソンのポテンシャルを開花させられるかどうかだろう。
今季がルーキーシーズンだったウィリアムソンは、コロナでリーグ中断になる3月中盤までの19試合で23.6得点/6.8リバウンド/FG成功率59%を平均と、近年NBAの新人選手としてほぼ前例のないスタッツを記録。
だが、長期の自粛期間を経て臨んだバブルでのシーディングゲームでは、コンディション調整が上手くいかなかったのか、出場時間が大幅に制限され、コロナ前のようなインパクトを残せなかった。
▼コロナ前ザイオン
バン・ガンディは、ドウェイン・ウェイドやドワイト・ハワードなど、若手時代のスーパースターを指導した経験持ち。特にマジック時代には、4人のシューターでセンターを囲むフォー・アウトのオフェンスを主力とし、全盛期のハワードの良さを最大限に引き出せていたと思う。
今のペリカンズはウィリアムソンの他にも、ブランドン・イングラムやロンゾ・ボールをはじめ将来有望な若手タレントが豊富。ヘッドコーチとしては、最もやりがいのあるチームと言えるかもしれない。
なおバン・ガンディは、シーズン再開直前の7月に、ポッドキャスト番組『The Lowe Post』にアナリストとして出演し、ペリカンズの今後についてコメント。
「デイビッド・グリフィンは誰よりも素晴らしい仕事をした」「エキサイティングで選択肢がたくさんあるチーム」とペリカンズのポテンシャルを絶賛しつつ、その一方で「ターンオーバーを減らし、トランジション守備を引き締める必要がある」など改善点についても指摘していた。
2019-20シーズンのペリカンズは、開幕2カ月の時点で6勝22敗と超低空飛行だったが、12月半ばからシーズン中断となる3月にかけて22勝14敗と健闘。バブルでは大失速してしまったが、もし来季を通して今季中盤のような勢いを維持できれば、確実にプレイオフレースに食い込んでくるだろう。
バン・ガンディHCの手腕に期待だ。
参考記事:「NBA」