【2017NBAファイナル第1戦】ウォリアーズがホームで圧勝
現地6月1日にオラクルアリーナで行われたゴールデンステイト・ウォリアーズ対クリーブランド・キャバリアーズの2017NBAファイナル第1戦は、ウォリアーズが試合を通して攻守で圧倒し、113-91で勝利。昨年のファイナルと同じく、ホームチームが快勝を収める形でシリーズがスタートした。
KDが大暴れ
この日のウォリアーズは、ケビン・デュラントがMVP級のパフォーマンスでオフェンスを牽引。序盤からトランジションやバックドア・カット、ペネトレーションでダンクを連発し、チームに勢いを与えると、後半からは外のショットも高確率で沈め、最終的にゲームハイの38得点、8リバウンド、8アシストを記録した。
レブロン・ジェイムスをはじめ、イマン・シャンパートやリチャード・ジェファーソンらがデュラントのガードを試みたが、誰も対応できず。前半にスリーポイントラインを警戒しすぎて、デュラントにイージーな得点を何本も許してしまったキャブスは、後半からペイントエリアの守備を固めようとするが、すると今度はマークが薄くなったステフィン・カリーにトランジションでロングレンジを沈められるという悪循環に陥った。
▼カリーは第3Qに14得点
ウォリアーズはデュラントの他に、カリーが28得点、10アシストを記録。二桁得点に達したのはKDとカリーのみで、クレイ・トンプソンはFG16本中3本成功の6得点と、引き続きシューティングが振るわなかったが、守備面ではレブロンやアービング、ラブまで幅広くスイッチしながら素晴らしい仕事をした。ESPNによると、前半のキャブスは、トンプソンにガードされた際のフィールドゴール成功数が9本中わずか1本だったという。
GSWのディフェンス
前半だけで15本のレイアップに失敗し、スリー成功数がチーム合計で33本中12本と、オフェンス面では決して100点満点とは言えなかったウォリアーズだが、守備はいつにもまして強烈だった。
トンプソンやデュラント、ドレイモンド・グリーンのアイソレーション・ディフェンスだけでなく、ヘルプやローテーション、シューターへのクローズアウトなどチームワークもほぼ完璧。パスレーンを的確に潰しながら、キャブスにタフショットやターンオーバーを連発させ、そこから素早くトランジションオフェンスに繋げて、試合のペースを握った。この日のウォリアーズは、ファーストブレイク得点で27-9とキャブスを大きく上回っている。
キャブスは昨年のファイナルと同様、カリーに対して集中的にピック&ロールを仕掛け(カリーのマークマンにスクリーンをセットさせ)、レブロンかアービングとのマッチアップに引きずり込む戦略で突破口を開こうとしたが、ウォリアーズはオフボールで事前にスイッチするなどしてカリーを保護:
▼グリーンがKDとカリーにオフボールでスイッチするように指示し、カリーをレブロンに付けたいキャブスの狙いを事前に阻止。
次にローポストでミスマッチを攻められそうになると、グリーンは逆サイドから迅速にヘルプに入り、キャブスにターンオーバーを出させた。
またカリーがピック&ロールを守備しなければならなかった場合は、スクリーンをヘッジするかアンダーするかして、なるべくスイッチから生じるミスマッチを回避。ペネトレーションで突破された際には、後方のグリーンとデュラントが見事なローテーションを見せ、ゴールを守った。
このプレイはキャブスの必勝パターンで、他のチーム相手ならラブのオープンスリーに終わる場合が多いが、グリーン/デュラントの機動力とウィングスパン、守備IQの高さがそれを難しくしている。
このようにして、ウォリアーズは昨季ファイナルで弱点になったカリーのピック&ロール守備をカバー。ウォリアーズの守備は確実に進化している。
ターンオーバー
敗れたキャブスは、レブロンが28得点/15リバウンド/8アシスト、カイリー・アービングが24得点、ケビン・ラブが15得点/21リバウンドをマーク。序盤からケアレスパスやオフェンスファウルなどミスが多かったものの、レブロンとアービングがアイソレーションからタフショットを沈めて、ハーフタイムで8点差と食い下がったが、第3Q開始からウォリアーズに13連続得点を許して一気に21点リードを奪われると、その後は点差を一桁に縮められないまま終わった。
第1戦で大きな差が出たのはターンオーバーの数で、ウォリアーズが4回だったのに対し、キャブスが20ターンオーバーを記録。キャブスはスティールを1本も獲得できておらず、さらに前半だけでウォリアーズに11オフェンスリバウンドを奪われている。ビッグスリーの他は、リチャード・ジェファーソンが9得点をあげたが、J.R.スミスが3得点、トリスタン・トンプソン、カイル・コーバー、デロン・ウィリアムズの3選手が0得点と、カンファレンスシリーズで貢献していたサポーティングキャストが完全にシャットダウンされた。
試合後、記者から「今夜のウォリアーズで最も際立っていた部分は何だと思う?」と尋ねられたレブロンは、「KDだ」と即答。敗因については、ターンオーバーとトランジション失点の多さを挙げた。
ファイナル第2戦は現地4日に再びオラクルアリーナで行なわれる。
ボックススコア:「NBA」