カリーの47得点でウォリアーズ5連敗脱出、バックスはついに今季初黒星
現地11月7日、NBAでは合計15試合が行われ、リーグの全30チームがプレイ。以下、特に印象的だった試合を取り上げてみた。
まずイースタンカンファレンスでは、一昨季のカンファレンスファイナルで衝突したアトランタ・ホークスとミルウォーキー・バックスが対決。オールスターのトレイ・ヤング欠場でかなり不利な状況だったホークスが117-98の大差で首位バックスを下す大金星をあげ、今季成績をイースト3位タイの7勝3敗とした。
この日のホークスは、新加入のデジャンテ・マレーが25得点/11アシスト/8リバウンド/3スティールでエース不在のチームを牽引。さらに新人のAJ・グリフィンがフィールドゴール15本中10本成功から24得点をマークして勝利に貢献している。
▼2022ドラフト全体16位指名のルーキー
今オフにスパーズからトレード移籍したマレーは、開幕10試合でキャリアベストの22.3得点/8.4アシスト/2.5スティールを平均中。ホークスはマレー獲得のために多くのドラフトアセットを犠牲にしたが(1巡目指名権3つとスワップ権1つ)、それに見合うだけの活躍ぶりだと思う。
一方で、ついに今季初の敗北を喫したバックスは、ヤニス・アデトクンボが25得点で奮闘。先発PGのドリュー・ホリデーは16得点/7アシストと上々な数字を記録するも、ターンオーバーが8つとミスが多かった。
シーズン10試合目にしてついに初黒星を喫したバックスだが、準エースのクリス・ミドルトン不在の中で9勝1敗の好成績を記録できたのは素晴らしい。なにより今シーズンは3Pラインの守備が改善されており、ディフェンシブ・レーティング(100ポゼッションあたりの失点)でリーグ首位の101.9を記録している。
これまでは、アバブ・ザ・ブレイク(ウィングとトップの3Pライン)のディフェンスを捨ててインサイドとコーナーを埋めるコンサーバティブな守備スキームを頑なに貫いてきたブーデンホルザーHCだが、昨季プレイオフでセルティックスに外から切り崩されたことを受け、ついにデュフェンス戦略の変革に乗り出したのかもしれない。
ウォリアーズ連敗脱出
ウェスタンカンファレンスでは、10月末から5連敗と低迷していた王者ゴールデンステイト・ウォリアーズが、本拠地チェイス・センターでサクラメント・キングスに勝利。昨季ファイナルMVPのステフィン・カリーが、今季リーグ2位となる47得点でチームを勝利に導いた。
▼カリー47得点
今季ウォリアーズはセカンドユニットに安定感がない。
オン/オフコート(+/-)のデータを見ると、カリー/グリーン/トンプソン/ウィギンス/ルーニーのスターターは5人ともプラスの数字を記録しているが、その他のサポーティングキャストが全員マイナス。特に、今オフに1億ドル超えの大型延長契約を獲得したばかりのジョーダン・プールが不振だ。
今季のプールは11試合で15.2得点、4.9アシストを平均中。数字自体はそれほど悪くなく、ベンチユニットの司令塔としての仕事もそれなりにこなせている印象だが、ブレイクした昨季と比べてシュート成功率が大幅にダウン(スリー成功率は30.1%)。平均+/-では、チームワーストとなる-8.8を記録している。
つまり今季ウォリアーズは、プールがフロアに立った時間帯に1試合あたり8.8点差を付けられているということ。トレーニングキャンプでのドレイモンド・グリーンとの一悶着が少しは影響しているのだろうか?
ジャズの快進撃
同日のウェストでは他に、ユタ・ジャズがロサンゼルス・レイカーズに139-116で圧勝。ラウリ・マルカネンの23得点とジョーダン・クラークソンの22得点をはじめ、合計7選手が二桁得点をマークするバランスの良いパフォーマンスでLAのスター軍団を下した。
オフシーズンには名将クイン・スナイダーと決別し、さらにドノバン・ミッチェルとルディ・ゴベアのスター2選手をトレード放出。ゼロからの再建期に突入するかと見られていたジャズだが、開幕3週を終えた時点で10勝3敗のウェスト1位と、誰にも予想できなかった大健闘を続けている。
決してスケジュールがイージーだったというわけではなく、これまでにナゲッツやグリズリーズ、ウルブズら昨季のプレイオフチームを次々と撃破。特にリーグ6年目でジャズ新加入のマルカネンが躍動しており、シーズン13試合のスタッツで自己ベストを大幅に更新する22.7得点/8.8リバウンドを記録中だ。
オールスター不在のジャズがどこまで快進撃を続けられるのか注目したい
ボックススコア:「NBA」