ウェストブルックがサンダーと5年の延長契約
ラッセル・ウェストブルックはどこにも行かない。
オクラホマシティー・サンダーは現地29日、2016-17シーズンMVPのウェストブルックと延長契約を結んだことを発表。チームから契約の詳細は明かされていないが、ESPNによると、契約内容はNBA史上最高額の5年/2億500万ドルになるという。
「前から言っているが、もう一度言おう。オクラホマシティーの他にいたい場所なんてない。サンダーでキャリアを続行するチャンスを手にできて、本当に光栄に思う。チームに入団したその日から、球団は僕と家族に素晴らしいサポートを与え続けてくれた。心から感謝している。オクラホマシティーでプレイするということは、世界で最高のファンたちの前でプレイできるということ。ファンたちやオクラホマシティーの街、そしてこの球団のために持てる力を振り絞りたいと思う」
– ラッセル・ウェストブルック
今オフのサム・プレスティGMは、信じられないほど素晴らしい仕事をした。
昨季終了時はキャップスペース的にFAでのチーム強化が困難な状況にあり、最悪の場合、来夏にウェストブルックを失う可能性さえあったが、トレードで割高サラリーのロールプレイヤーたちをポール・ジョージとカーメロ・アンソニーのスター選手2人に代え、さらにパトリック・パターソンやレイモンド・フェルトンら有力なサポーティングキャストをリーズナブルな契約で獲得。サンダーを再び優勝候補の一角として蘇らせると、極めつけにフランチャイズスターの引き留めにも成功した。
ウェストブルックの契約は2022-23シーズン、34歳になるまで続くので、これでサンダーは一安心だ。このままウェストブルックが生涯サンダーを貫く可能性は非常に高いといえる。
ただ今のチームを来季以降も存続させるのは極めて難しい。ESPNのBobby Marks記者によると、現時点で2018-19シーズンのサンダーが保持するギャランティー契約は約1億3800万ドルとなっており(ポール・ジョージとカーメロのオプションを含む)、予想ラグジュアリータックス・レベルの1億2400万ドルをすでに大幅に超えてしまう状態。しかも4シーズン中3シーズン(今季含む)でタックスレベルを超過したサンダーには、リピータータックス(タックス率の増加)のペナルティが科されるため、もしカーメロとジョージの2人とFAで再契約した場合、ラグジュアリータックスだけで1億4000万ドルにのぼる可能性もあると予想されている。
来夏の大きな課題はあるにせよ、例え1年だけでも優勝を狙えるポジションに付け、何よりもウェストブルックとの延長契約を決められたのが大きい。本当に見事な舵取りだ。
昨季のウェストブルックは、レギュラーシーズンでトリプルダブルを平均する偉業を達成し、キャリア初のMVPを受賞。今季は新体制で打倒ウォリアーズを目指す。
ちなみに9月29日はケビン・デュラントの誕生日だが、ウェストブルックがわざわざこの日にしばらく保留にしていた延長契約にサインしたのは、単なる偶然のはず…。
Image by Keith Allison
参考記事:「NBA」