ガーネット、ピアースがネッツに移籍、セルティックスは再建モードに
ドック・リバース監督の移籍が決まったばかりのボストン・セルティックスから、さらに驚きのニュースが飛び出した。米YahooSports!によると、セルティックスは27日、ブルックリン・ネッツとの間でケビン・ガーネットとポール・ピアースを含む大型トレードに合意したという。トレードは、7月10日以降に正式に成立する。
このトレードでセルティックスは、ガーネット、ピアース、ジェイソン・テリーの3プレーヤーを放出。ネッツは引き換えに、ドラフト1巡目指名権を3つと、クリス・ハンフリーズ、ジェラルド・ウォーレスを含む5選手をセルティックスに送る。イースタンカンファレンスの力関係を変える非常に大きなトレードだが、果たして両チームにとってウィンウィンな結果となっただろうか?
ネッツは主力メンバーを一人も失うことなく、ガーネット、ピアースという経験豊富なベテランスターを獲得した。その代償に、将来を犠牲にした。「勝負をかけるなら今しかない」というネッツの気概がうかがえる。
今回のトレードでネッツのスタメンは:
・PG:デロン・ウィリアムス
・SG:ジョー・ジョンソン
・SF:ポール・ピアス
・PF:ケビン・ガーネット
・C:ブルック・ロペス
現NBAの最強スタメンのひとつと言っても過言じゃない。もちろん今季レイカーズのような例もあるわけで、「スタメン強い=成功」とは限らないが、名前だけをみると本格的に来季のNBA制覇を狙える面子となった。
ただやはり3つのドラフト指名権を失ったのが痛い。その上、サラリーキャップも大幅にオーバーしているため、この先数年間はフリーエージェントを通してのチーム補強が難しくなる。
一方で、2008年優勝時のコアメンバーすべてに別れを告げ、再建を目指し真新しいスタートを切ることとなったセルティックス。数年の低迷期を見越しての決断だろうが、ガーネット、ピアースに値する見返りを得られたかどうか。
まず、ウォーレスには3年/3303万ドルという大口の契約がついてくる。選手としてすでに峠を越えたウォーレスに対して、この金額はどうみても払い過ぎだ。 今季のウォーレスの成績は、平均出場時間30分で7.7得点、4.6リバウンド。試合にインパクトを与えられる選手とはとても言えないだろう。
3つのドラフト指名権(14年、16年、18年)は非常に大きい。いずれも20位以下の指名になる可能性が高いものの、それなりの価値はある。
今回のトレードでセルティックスが失ったものは大きいが、早い段階できっぱりと再建に乗り出したのは正解かもしれない。ガーネット、ピアースが引退していくのをただ黙ってみているよりも、少しでも将来のアセットを獲得できたわけだ。とはいえ、セルティックスファンにとって、時代を支えたピアースとの決別は相当つらいことだろう。
Thumbnail: Mark Runyon | Basketball Schedule via Flickr