【2014ファイナル第1戦】灼熱のアリーナでスパーズがヒートに逆転勝利
5日に行われたNBAファイナル2014第1戦は、ホームのサンアントニオ・スパーズが110対95でマイアミ・ヒートに勝利した。
スタジアムの冷房システムが故障したため、気温30度を超える厳しい暑さの中で行われることとなったシリーズ第1戦。54対49の5点リードで前半を折り返したスパーズだが、後半に入るとターンオーバーを連発して一気に失速。反対にヒートはスパーズのミスをコツコツと得点に変えていき、第4Q序盤に最大で7点のリードを奪うことに成功した。
▼レイ・アレン、スティールから豪快ダンク!!
しかしここからスパーズが大反撃を開始する。火付け役となったのはダニー・グリーンだ。
ここまでシュート成功数0本だったグリーンは、第4Q中盤に2本連続でスリーポイントを沈め覚醒。その直後には速攻から豪快なダンク、さらに残り時間3分50秒に再びスリーを決め、試合の流れを一気にスパーズに引き寄せた。
何とかペースを取り戻したいヒートだが、最大の局面でレブロン・ジェイムスがふくらはぎの筋けいれんでベンチに退くという最悪の事態に。エースを失ったヒートに対してスパーズはラスト4分で16-3のランを仕掛け、最終的に15点差で第1戦をものにした。
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | ||
MIA | 20 | 29 | 29 | 17 | 95 |
SA | 26 | 28 | 20 | 36 | 110 |
▼残り1分15秒でパーカのスリーにより10点差。それをベンチで見つめるレブロン
スパーズは、ティム・ダンカンが21得点(FG成功数9/10)、10リバウンドを記録。ダンカンはプレイオフのキャリア通算ダブルダブル獲得数で、歴代最多のマジック・ジョンソンにあと一つで並ぶことになる。
他にも、トニー・パーカーが19得点、マヌ・ジノビリが16得点とスパーズのベテラン勢が活躍。終盤までは不安定だったグリーンとレナードの若手コンビも大事な場面で仕事をこなし、初戦白星に貢献した。
一方のヒートは、レブロン/ウェイド/ボッシュのビッグスリーが合計で62得点、レイ・アレンが16得点をマーク。特に中盤から終盤にかけて攻守共に素晴らしいパフォーマンスをみせたものの、最後の最後でエースが抜けた穴をカバーすることができず、敵地で第1戦をスティールするための条件が揃っていただけに、ヒートにとっては悔しい逆転負けとなった。
レブロンは試合後、「僕がベンチにさがった後、スパーズは勢いに乗った。ベンチに座ってチームの手助けを出来ないのは辛かった」とコメント。残り3分あたりで1度試合に戻ろうとしたが、ヒートのスポルストラHCに「No」と言われたそうだ。
やはり暑さが足をつる原因となったのか。レブロンは試合後に点滴治療を受けたらしく、ホテルに帰る頃には普通に歩けるほどに足の状態が回復していたという。次の試合までに2日間の休養があるため、第2戦への影響はないとみられる。
とにかく暑かった…
エアコン故障により、一時はコートサイドの気温が32度を上回ったというこの日の「AT&Tセンター」。過酷なコンディションでプレーした選手たちは、試合後にさまざまなコメントを残した。
・レブロン・ジェイムス:
「普通の状況ではなかった。これほど暑い建物でプレーしたことは1度もない。高校の頃以来かもしれない」
・ティム・ダンカン:
「こんなコンディションの試合は、ヴァージン諸島(ダンカンの地元)を去ってから1度も経験していないと思う。ひどい暑さだった」
その一方で、別に大したことなかったよとする声も。
・トニー・パーカー:
「個人的には気にならなかった。ヨーロッパでプレーしているような気分だったよ。向こうではクーラーなんてなかったからね…、だから暑さには慣れている」
・マヌ・ジノビリ:
「僕はクーラー設備のあるコートでの試合よりも、灼熱のコートで試合したことの方が多い。だから僕にとっては大したことじゃなかった」
・クリス・ボッシュ:
「気にしないよ。僕はテキサス出身だ。僕の高校にはエアコンを取り付ける余裕なんてなかった」
参考記事:「ESPN」