レブロンがディフェンダーの背中を使ったセルフ・インバウンズパスからクラッチスリー
勝敗を左右する大事な場面で、よくもまあこんな大胆なプレイを咄嗟に思いつくものだ。
キャブスの5点ビハインドで迎えた現地19日バックス戦の第4Q残り5.9秒、レブロン・ジェイムスはタイムアウト明けのインバウンズプレイで、右ウィングのスリーポイントラインを警戒していたヤニス・アデトクンボの背中に向けてスローインし、自らにパス。すぐにボールをリカバーすると、ツードリブルからプルアップスリーを沈めて、残り2秒で試合を2点差に戻した。
この日のキャブスは、第2Qからバックスに主導権を握られ、第4Q残り10分40秒で20点ビハインドの大ピンチに陥るも、そこからレブロンのいないセカンドユニットが24-7のランで猛反撃を展開。さらにフロアに戻ったレブロンがスリーと3点プレイを連続で決めて、残り2分で逆転に成功したが、対するバックスはトニー・スネルのスリーですぐにリードを奪い返すと、残り時間5秒にはアデトクンボがカウント・ワンスローのレイアップをねじ込み、何とか大逆転負けを回避した。
▼ヤニスの決勝プレイ
バックス(16勝13敗)は、アデトクンボがチームハイの27得点、14リバウンド、8アシストで大活躍。他にエリック・ブレッドソーが26得点、クリス・ミドルトンが18得点、マルコム・ブログドンが16得点で勝利に貢献した。
連勝が5で止まったキャブス(23勝9敗)は、レブロンがゲームハイの39得点、ケビン・ラブが21得点/10リバウンド、ドウェイン・ウェイドが14得点をあげている。
▼レブロンvsヤニス
この試合で少し不可解だったのは、バックスの3点リードで迎えた残り時間1.4秒でのフリースローで、ジェイソン・キッドHCがミドルトンに2本目をわざと外すように指示したことだ。というのも、この時点でキャブスにタイムアウトが残っていなかったため、フリースローを決めて4点差にすれば、そこで勝利が確定する。
試合後、キッドHCはこの判断について、「4点プレイを避けたかった」と説明していたが、それならば選手たちに「もしフリースローが入ったらその場から動くな」とでも指示すればいい。しかも選手たちはフリースローをわざとミスするのに慣れておらず、ボールがリムに当たらずにバイオレーションになってしまう可能性もある。
現役時代のキッドは、誰よりもスマートでバスケットボールIQの高い司令塔だったが、ヘッドコーチとしてはたまによくわからない采配をすることがあり、2週間前のピストンズ戦でも、4点リードを確保していた第4Q残り9秒での守備で、FT成功率84%のレジー・ジャクソンをわざとファウルしてフリースローを打たせるという謎の戦略を採用していた(その少し前にピストンズはスリーを2本沈めており、結果としてジャクソンがフリースローを1本ミスしたので、作戦成功だったとも言えるかもしれないが…)。
ボックススコア:「NBA」