トニー・パーカーがラップキャリアに終止符!!
「僕は音楽から引退した」、パーカーは語った…。
トニー・パーカーといえば、どんなイメージを思い浮かべるだろう。「真面目な選手、渋い男、堅い性格、バスケ一筋の好青年…」、もしそういった印象を受けているのなら、それはスパーズのユニフォームがそう思わせているのかもしれない。
NBA選手としてのパーカーは、非常に順調な道を歩んできた。キャリア前半からスパーズのキープレーヤーとして活躍し、2007年にヨーロッパ出身選手初となるファイナルMVAを獲得。昨季には最優秀選手賞の候補にも名前があがり、エースとしてスパーズをファイナルまで導いた。
一方で、パーカーの私生活は決して平坦なものではなく、どちらかといえばかなりユニークだ。大々的に報じられた人気女優との離婚や、チームメイトの奥さんとの浮気疑惑。さらには、昨年ニューヨークのクラブで起きたクリス・ブラウンとドレイクとの大ゲンカに巻き込まれ、左目を負傷するなどという出来事もあった。これらのいずれもが、スパーズのユニフォームを着たパーカーのイメージにそぐわない。
中でも特に“スパーズらしくなかったこと”といえば、恐らくパーカーの鮮烈なラッパーデビューだろう。
TPのラップキャリア
トニー・パーカーは2007年、フランス語のラップアルバム『TP』をリリースした。ラップに挑戦したNBA選手は数多くいるが、パーカーの場合は少し本気度が違う。米シンガーのジェイミー・フォックスや大御所フレンチラッパーのBoobaをゲストに招き、全11曲に渡るフルソロアルバムを発表していたのだ。
とりあえず同アルバムからのヒットナンバー『Balance Toi』を聴いてみよう:
パーカーのラップキャリアは、たびたびジョークのネタとして扱われることもあるが、決してすべてが黒歴史だったというわけではない。アルバムからシングルカットされた『Balance Toi』は約5万枚を売り上げ、フランスの公式チャートで1位を獲得するほどのヒット曲となった。
まずまずの成功を収めたわけだが、どうやら我々がセカンドアルバムを手にする機会はなさそうだ。仏『Tele-Loisirs』誌のインタビューで、パーカーはその短いラップキャリアに終止符を打つことを宣言した。
「僕は音楽を引退した(Je suis en retraite musicale)」、パーカーは語った。
だが気を落とすなかれ。スパーズがNBAチャンピョンに輝いた暁には、再びパーカーの“フリースタイル・ラップ”にお目にかかれるかもしれない。以下は、2005年のスパーズ優勝記念イベントにて:
Thumbnail by jmtimages via Flickr
ソース:「Project Spurs」