column ウォリアーズ オフェンス

Published on 10月 18th, 2017 | by Tunaパスタ

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ベスト・オブ・NBA: ウォリアーズの「サイクロン」

ゴールデンステイト・ウォリアーズは、恐らくNBA史上で最もボール/プレイヤー・ムーブメントが盛んなチームだ。

強力なロングレンジシュートでフロアスペースを広げながら、オフボールスクリーンとカットを中心にオフェンスを組み立て、ノーマークのイージーな得点を効率良く稼ぎ出す。ケビン・デュラントが加入して得点源がさらに分散された2016-17シーズンは、これまで以上にポストアップやアイソレーションの割合が減り、オフボールでのエクスキューションが増えた。

▼GSWのオフェンスパターン

FREQ 2015-16(PPP) 2016-17(PPP)
カット↑ 10.7%(1.25) 12.3%(1.33)
オフスクリーン↑ 11.8%(1.06) 13.0%(1.04)
アイソレーション↓ 6.3%(0.93) 5.7%(0.94)
ポストアップ↓ 6.1%(0.80) 5.1%(0.78)

※PPP=ポゼッションあたりの得点、%はそのプレイで終えたポゼッションの割合

以下は、スティーブ・カーHC指揮下のウォリアーズで代表的な「サイクロン」と呼ばれるセットプレー。タイムアウト明けなど、点が確実に必要な場面で使っている。ステフィン・カリーの動きに注目してほしい。

▼2016年12月23日ピストンズ戦クラッチタイム

まずクレイ・トンプソン(パサー)が左サイドにカットし、サイドラインでボールをキャッチ。この際に、カリーがトンプソンのマークマンに軽くスクリーンをセットして(しない場合も多い)、パスがディナイされるのを阻止する。

続いてカリーが3pラインまで走ると見せかけて、エルボー付近でバックスクリーンをセット。同時にゴール下へとカットしたドレイモンド・グリーンがトンプソンからのパスを受け、ノーマークのレイアップを決める。

2日後のクリスマスゲームでもまったく同じセット

「サイクロン」が面白いように決まるのは、やはりカリーの存在が大きい。このセットでは、カリーが完全におとりとなっているが、通常はその逆で、カリーがスクリーンを使ってオープンになり、キャッチ&シュートのスリーを沈めるパターンが多いからだ。カリーにわずかでもスペースを与えてしまうと命取りになるので、ディフェンスはどうしてもそちらに気を取られてしまい、突然スクリーンをセットされると一瞬混乱して、グリーンのカットへの対応が遅れる。

史上初の満票MVPに輝いた2015-16シーズンと比べて平均得点が5点ほど落ちた昨季のカリーだが、スタッツに表れないところでのインパクトは相変わらず絶大だ。

このセットは、カーがHCに就任した3年前から使われているもので、一時期はほぼ毎試合で見られた。その後、対戦相手が十分に警戒するようになったので頻度が減っていたが、昨季序盤~中盤では再び頻繁に使われていた印象だ。なおクレイ・トンプソンとカリーの役割が入れ替わるパターンもある。

ウォリアーズのオフボールオフェンスは、NBAの中でも群を抜いてレベルが高い。以下は、2016-17レギュラーシーズンの試合で、カットもしくはスクリーンからのプレイで終えたポゼッション(FGA、ターンオーバー、ドローファウル)の合計数をチーム別に比較したグラフ。

リーグ2位のウィザーズよりも7割近く多く、ウォリアーズのオフェンスシステムが他の29チームとは全くの別物だということがよく分かる。

Image by Keith Allison

参考:「The Explain One Play

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いつもたくさんのコメントをありがとうございます。最近、返信が遅くなっており、申し訳ありません…



  • YusukeIndia

    Tunaさんあけましておめでとうございます!
    とうとう開幕しましたね! 今シーズンもどうぞよろしくお願いします(^^)

    開幕直前にこの記事をあげて来たあたり、さすがTunaさんですね 笑
    こんな分析の仕方があるんだ、と思わず唸っちゃいました。
    で、やっぱりなんだかんだで、ウォリアーズ優位はそうそう変わらないでしょうね。

    ですが是非熱戦を期待したいです!

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