76ersがクリッパーズからトバイアス・ハリス獲得
今季トレードデッドラインを目前にして、フィラデルフィア・76ersが戦力強化に向けて大きく動いた。
ESPNによると、NBAでは現地5日、76ersとロサンゼルス・クリッパーズが6選手を含む大型トレードに合意。トレードの詳細は以下の通りだ:
76ers獲得
- トバイアス・ハリス
- ボバン・マリヤノヴィッチ
- マイク・スコット
クリッパーズ獲得
- ランドリー・シャメット
- ウィルソン・チャンドラー
- マイク・マスカラ
- 2020年ドラフト1巡目指名権
- 2021年ドラフト1巡目指名権
- ドラフト2巡目指名権×2
クリッパーズが獲得したドラフトピックは、1つが76ersの2020年1巡目指名権(トップ10位保護付き)。もう一つがマイアミ・ヒートの2021年1巡目指名権(条件なし)となっている。
今回のトレードの目玉は、トバイアス・ハリスとヒートの2021年1巡目指名権だ。
“プロセス”の集大成
76ersが主力を失うことなく、トバイアス・ハリスクラスの選手を獲得できたのは大きい。相性の面で言えば、シクサーズの“ビッグスリー”のサポート役として、ハリス以上の人材はそれほどいないはず。
今季のハリスは55試合でキャリア最多の20.9得点、7.9リバウンドを平均し、クリッパーズのベストプレイヤーの一人としてチームの好成績(30勝25敗)に大貢献した。チームの4番手として起用するには勿体なさすぎるくらいのタレントだろう。
ハリスは外のシュートに強く、ここ2シーズンではスリー成功率40%を超えている。特に今季は自己ベストの43.4%を記録。さらにサイズと機動力があり、守備面では2番から4番まで問題なくスイッチ可能だ。
多くのアセットを手放すことになったものの、これで76ersはさらなるロスターのアップグレードに成功。シモンズ/レディック/バトラー/ハリス/エンビードの先発ラインアップは、ウォリアーズを除けば、リーグ屈指の破壊力を持ったユニットになるだろう。シクサーズの一手を受け、イーストのライバルチームたちがデッドラインまでにどんな動きを見せるのか目が離せない。
ただベンチの戦力はトレード後も不安定なままだ。ESPNによれば、昨年ドラ1のマーケル・フルツもまだまだ復帰できる状態ではないとのこと。シクサーズはバイアウトマーケットでベテランウィング選手(ウェズリー・マシューズ?)の獲得に積極的に動くだろう。
76ersにとって今回のトレードにおけるリスクは、今のコアを来季以降も維持できるかどうか。今季にトレードで獲得したジミー・バトラーとハリスの2人は契約最終年(バトラーは来季オプション)で、J.J.・レディックも今夏にFAとなる。
LACは超大物狙いへ
今季トレードデッドラインを目前に控え、クリッパーズは選択を迫られていた。このまま全力でプレイオフ進出を狙うか?それともチーム再建を最優先にするか?クリッパーズは後者を選んだ。
現在クリッパーズは30勝25敗のウェスト8位で、9位のサクラメント・キングスから1.5ゲーム差。エースのハリスがいなくなることで、今の順位を維持するのは極めて難しくなるだろう。なおクリッパーズの2019年ドラフト1巡目指名権はボストン・セルティックスが握っているが、トップ14位のロッタリー保護付きなので、もしクリッパーズがプレイオフ進出を逃せば指名権をキープできる。
クリッパーズとしてはハリスと大型契約を結ぶ選択肢もあったが、ハリス以上の大物獲得を目指してホームランを狙いに行く決断をした。今夏にはケビン・デュラントやカワイ・レナード、カイリー・アービング、クレイ・トンプソンらビッグネーム(イニシャル「K」のスターが勢揃い!)がFAとなる見込みで、クリッパーズは2選手にマックス契約をオファーできるだけの余裕がある。特にレナードは、オフシーズンのトレードの際に、クリッパーズを希望の移籍先の一つにあげていたと報じられている。
今夏FAで空振りしたとしても、今のクリッパーズは複数のドラフト1巡目指名権や、シェイ・ギルジアス・アレクサンダーをはじめとした有望な若手選手、さらにルー・ウィリアムズの超格安契約(年800万ドルで2021年まで)などアセットが豊富。トレードでスター選手を引っ張ってくるのも可能だ。
今回のトレードで、クリッパーズは契約最終年の選手と引き換えに、ドラフト1巡目指名権2つと新人のシャメットを獲得(特にヒートの2021年1巡目指名権は上位になるかもしれないので非常に価値が高い)。そして再建へのプランがより明確となった。
参考記事:「ESPN」