退団希望のアンドレ・イグダーラ、グリズリーズのキャンプ不参加へ
プレイオフチームへの移籍を望んでいるとされるアンドレ・イグダーラにとって長いシーズンになりそうだ。
今年のオフにメンフィス・グリズリーズへとトレード移籍した2014ファイナルMVPのイグダーラだが、来週から始まる新チームでのトレーニングキャンプには顔を出すつもりがない様子。『Daily Memphian』が伝えている。
報道によれば、イグダーラはグリズリーズのメディアデーやトレーニングキャンプに参加せず、チームと離れて個人でワークアウトするとのこと。現地9月23日の時点で、グリズリーズ側もイグダーラがチームを離脱することに合意しているという。
今年7月、ウォリアーズはケビン・デュラントとディアンジェロ・ラッセルのサイン&トレードでキャップスペースを確保するため、王朝のコアメンバーだったイグダーラをドラフト1巡目指名権を付けてグリズリーズへと放出。トレードが成立した当初からイグダーラがグリズリーズからの退団を希望していると報じられていた。
イグダーラが他のチームに移籍するには、トレードかバイアウトの二択。イグダーラとしては、FAとなって好きなチームと契約できるバイアウトが理想的だ。ただグリズリーズは今のところ契約バイアウトの要求に応じるつもりはないらしい。
グリズリーズがイグダーラの契約をバイアウトした場合、イグダーラは無制限FAとなるが、イグダーラの契約はグリズリーズのキャップに残る。グリズリーズがこのタイミングでバイアウトに合意する理由としては、ロスタースポットを空けられること、そして選手の希望を第一に考える器の大きさをアピールできるなどがあるが、いずれも1年/1719万ドルの高額サラリーを背負い込む負担を考えると割に合わない。
イグダーラが大幅なサラリー減額でのバイアウトに応じるなら話は別だが、イグダーラにそのつもりはない様子。イグダーラは同日、『NBC Sports Bay Area』の取材でチームとのバイアウト交渉に関する自身の考えを語っていた。
「もし僕がスポーツエージェントだったとして、バイアウト交渉に関して言えることは、絶対にお金を取り残さないこと。特にNBAではそうすべき。一度取り逃したお金は二度と戻ってこないんだ。交渉は駆け引きが重要。だからバイアウトへのアプローチや発言には慎重にならなければならない」
– アンドレ・イグダーラ
一方でグリズリーズ側のベストシナリオは、イグダーラをトレード放出して何かしらの見返りを得ること。イグダーラはすでに全盛期を過ぎているとはいえ、昨季プレイオフでも安定したパフォーマンスを見せており、どんな環境でもケミストリーを乱すことなく即戦力となれるA級のロールプレイヤーだ。タンキング中のチームを除けば、誰もが欲しがるタイプの選手だが、やはり1700万ドルという高額サラリーがネックとなる。
レイカーズやクリッパーズ、ロケッツといった優勝を狙うチームは、イグダーラを喉から手が出るほど欲しがっているはずだが、現時点では動かせるサラリーやアセットが限らている。
▼イグダーラの2018-19ハイライト
いずれにせよ、グリズリーズ的にはイグダーラの去就について少しも焦る必要はない。とりあえず12月15日まで待てば、今夏FAで契約した選手たちがトレード解禁となるので、イグダーラ放出先の選択肢も増えるだろう。
参考記事:「Daily Memphian」