ボリス・ディアウ、フランスのチームと契約
NBAで最も愛されたインターナショナルプレイヤーの一人が、活躍の場を母国へと移すことになりそうだ。
フランスのスポーツメディアSFR Sportによると、今年7月にユタ・ジャズからウェイブされたボリス・ディアウが、パリを拠点とするプロAリーグのルヴァロワ・メトロポリタンズと契約を結んだ模様。ただ契約内容には、もしNBAチームからディアウにオファーがあった場合に、契約をオプトアウトできる条項が含まれているという。
ドリブルからシュート、プレイメークまで何でもこなせるオールラウンダーとして様々なチームで活躍したディアウは、NBAでの14シーズンで8.6得点、4.4リバウンド、3.5アシストを平均。特にビッグマンとしてはパスセンスとコートビジョンに卓越しており、00年代中盤のフェニックス・サンズでは“7秒オフェンス”のバックボーンの一部を担い、10年代前半のサンアントニオ・スパーズではそのユニークなスキルセットを活かして、2014年のリーグ制覇に大貢献した。
▼サンズ時代
▼2014NBAファイナル
ディアウは、オンコートでのユニークなプレイスタイルに負けないほど、とても個性的なライフスタイルを持っている。
チームのロッカールームに自前のエスプレッソマシーンを持ちこみ、試合前にはウォームアップを抜け出して必ずカプチーノを飲むほどコーヒーが大好き。冒険心も旺盛で、海外旅行やサファリ探検に目がなく、将来の夢は世界一周、そして宇宙旅行だという。
またディアウは基本的に汗かきな体質らしいが、手の平だけは常に乾燥しているらしく、試合に出場する際に滑り止めのパウダーを使う選手が多い中、ディアウの場合は逆にハンドローションをたっぷり塗り込んでゲームに臨むそうだ。しかも絶対的にお気に入りのローションブランドがあるようで、チームメイトたちに勝手に使われないように鍵付きのボトルに入れて持ち運び、もしその製品が生産中止で品切れになったら現役を引退するとまで語ったほどだ。
▼世界遺産でもマイ・エスプレッソ
▼契約はヨットの上で
ビル・ウォルトンが以前、当時若手だったボリス・ディアウについてこんなコメントを残した(ディアウがサンズにいた頃):
「ボリス・ディアウと話せば、彼がとても古典的な人間だとわかる。ちょうど201年前、ベートーヴェンが交響曲第3番を生み出し、ロマン派音楽の道を切り開いた。ボリス・ディアウを見ると、ロマン派時代のベートーヴェンが思い浮かぶ。彼はすべてを兼ね備えている」
例えがちょっと良く分からないが、そういうことなのだろう。こんなユニークな男がNBAからいなくなってしまうのは寂しい。
Image via diawboris/Instagram
参考記事:「NBA」