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ボリス・ディアウ
2016 6 20

ボリス・ディアウとカプチーノと肖像画

ボリス・ディアウ 4

オールラウンドなプレーを武器に、長年NBAで活躍を続けてきたサンアントニオ・スパーズのボリス・ディアウは、コート上でのユニークなスキルセットに負けないほど、コートの外でもユニークな個性を発揮している。

ディアウはとにかくコーヒーに目がないらしい。いつでもフレッシュで上質な一杯を飲めるよう、AT&Tセンターのロッカーにはエスプレッソマシーンを仕込んであるそうだ。ホームで勝利を収めた後に、カプチーノで祝杯をあげるディアウの姿が目に浮かぶ。

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「いまだにホーム無敗、そしてエスプレッソ。What else? #ネスプレッソ #コーヒータイム #ボリスタ」

またディアウは、自らがワインを嗜んでいる肖像画(拡大写真?)をチーム練習の場に持ち込むこともあるとか。さすがにこれはジョークだと思うが、表情はいたって真剣。

ボリス・ディアウ 肖像画

ちなみに、肖像画の隣にいるカバのぬいぐるみは、ディアウが制作を手掛けた児童図書『Hoops to Hippos』(ナショナルジオグラフィック出版)に関連している。ディアウはバスケットボールとエスプレッソの他にも、旅行やサファリ探検、カメラにも夢中だという。

Borisdiawさん(@diawboris)が投稿した写真 – 2015 7月 15 3:07午前 PDT

ボリス・ディアウ カメラ
via Instagram/Borisdiaw
ボリス・ディアウ ワイルド
via Instagram/Borisdiaw

「休みを取らないと、頭がおかしくなってしまう」、それがディアウのモットーだ。

「僕のボートで世界中を航海しようと思っている。そんな風に旅ができるという自由な境遇を心から大切にしているよ。多くの人が『世界中を旅行したい』と口にするけど、それを実現させようとしない。僕の目標は世界一周だ」

ディアウの冒険心はすでに地球の外にも向いている。NBPA(NBA選手協会)の取材では、「いつか宇宙に行きたい」と引退後の壮大な夢を語った。

「いつか宇宙に行くつもりだ。10年以内とは言わないが、たぶん30年後には」

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多趣味で好奇心旺盛なディアウは、いつも穏やかで前向き。スパーズのトニー・パーカーとマヌ・ジノビリは、長年の友人の性格について、こんな風にコメントしている。(SA Express Newsより)

「たとえ悪いことがあったとしても、彼は常にポジティブ。いつも適切なバランスを維持しながら、物事を客観的に見ようとしている」
– トニー・パーカー

「彼にとっての“最悪の日”は、僕たちの“最高の日”より何倍も素晴らしい。彼は住んでいる世界が違う。常に上機嫌だ」
– マヌ・ジノビリ

もちろん穏やかな性格だからといって、闘争心に欠けているわけではなく、試合中にはミスを犯したチームメイトを叱咤するようなシーンも度々みられる。ちなみにディアウは、歴代MIP受賞者の中で唯一チャンピョンシップリングを手に入れた選手だ。

▼2014年ファイナル第4戦

ディアウに関しては、こんな面白い逸話がある。以下、ESPNが2014年に掲載したボリス・ディアウ特集記事から、デイビッド・グリフィン氏(現キャブスGM)のコメント:

「ある日、ボリスがサンダル姿でジムにやって来た。毎朝のお決まりらしいカプチーノを片手にね。あれはドラフト・ワークアウトの時だった。そこで彼は『Vertec(器具)』を見るなり、あれは何だい?、と尋ねてきた。Vertecはバーを何本タッチできるかによってジャンプ力を測定する器具。そう教えてやると、次にボリスは『これまでの最高記録は誰だ?』と聞いてきたんだ。我々は、『アーマレ(スタウダマイアー)がすべてのラックをクリアしたよ』と伝えた」

「するとボリスは、カプチーノを床に置いてビーチサンダルを脱ぎ、最初のトライですべてのラックをクリアしてしまったんだ。そして涼しい顔でサンダルを履き直し、カプチーノを拾い上げると、『難しくなかったね』、そう言い残してジムを去っていったよ」

ぽっちゃり体型でじっくりとスローに攻めるスタイルから、ジノビリに「スローモー・ボボ」なんて呼ばれることもあるディアウだが、もともとは優れた身体能力を持つ選手だったのだ。

▼2006年WCファイナル

1986年から2011年までフェニックス・サンズのフロントオフィスメンバーだったTodd Quinter氏(現ホーネッツのスカウティング主任)も、「みんなボリスの運動神経の素晴らしさをわかっていない」と当時のディアウのトップアスリートぶりを高く評価している。

「我々(サンズ)が2005-06シーズンにボリスを獲得した当時、恐らく彼はチームで最も速くコートを駆け抜けられる選手だった。跳躍力もすごく高かったね。それなのにボリスは、プレーを決める際に運動神経に頼ろうとしなかった。身体能力を駆使するのは最後の手段、といった様子だったよ」

今季でプロ13シーズン、34歳のディアウは、すでに運動神経に頼りたくても頼れないフェーズに入っている。

今年のカンファレンス・セミファイナルシリーズでも、サンダーの若いビッグたちにサイズと身体能力で圧倒され、ディフェンスリバウンドを取るのにも一苦労。シーズン最後の試合となった第6戦では、スパーズのアクティブ・ロスターで唯一1秒もコートに立つことなく、本来の持ち味を十分に発揮できないまま終わった。

メディアの間では、スパーズがキャップスペース確保のため、オフシーズンにディアウをリリースするのではないか、と予想する声もある(来季ディアウの契約は700万ドルで、そのうちの300万ドルのみがギャランティ)。

それでも、ディアウの優れたパスセンスやコートビジョン、ポストアップなど、ビッグマンとしてのオールラウンドなスキルは、代わりを見つけるのが非常に難しく、特にゴールデンステイト・ウォリアーズのようなスモールラインアップが相手の試合では、極めて重要な存在となる。

できればこれから先も、スパーズの一員として活躍を続けて欲しい。

Image via Instagram/Borisdiaw

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