バックスがホームで2連勝、ネッツとのイースト準決勝シリーズをイーブンに持ち込む
ミルウォーキー・バックスが現地13日、本拠地ファイサーブ・フォーラムで行われたブルックリン・ネッツとの2021イースタンカンファレンス・セミファイナル第4戦に107-96で快勝。敵地での2連敗からホームで連勝をあげ、シリーズを2勝2敗のタイに持ち込んだ。
この日の試合の流れを決定づけたのは、前半での不運なアクシデントだった。
アービング負傷
第2Q中盤、レイアップを決めたカイリー・アービングがディフェンダーの足の上に着地してしまい、右足首を激しく捻挫。激痛でしばらくフロアにうずくまった後、足を引きずりながら途中退場することとなった。
前半終了時では53-48と接戦だったが、後半に入ってからバックスが間もなく主導権を掌握。第3Qを28-21で上回って12点リードを奪うと、そのまま最後まで二桁点差を維持した。
バックスは、ヤニス・アデトクンボが34得点、12リバウンドで大活躍。トランジションやアイソレーション、カットなどでリムを攻めまくるヤニスらしいプレイでネッツ守備を破壊した。
アデトクンボの他には、クリス・ミドルトンが19得点、ドリュー・ホリデーが14得点/9アシストをマーク。PJ・タッカーは13得点をあげつつ、ケビン・デュラントの守備でも素晴らしい仕事をした。
一方のネッツは、デュラントが42分の出場で28得点/13リバウンドのダブルダブルを記録。タッカーのフィジカルな守備に苦戦して自分の得意なスポットにボールをなかなか運べず、FG25本中9本成功とショットのリズムを掴めなかった。
ネッツ大ピンチ
ホームでのシリーズ開幕2連勝から一転、ジェイムス・ハーデンに続いてアービングも負傷と、最も恐れていた展開になりつつあるネッツのプレイオフラン。アービングの怪我の程度は今のところ不明で、翌日のMRI検査結果待ちとなる。
スティーブ・ナッシュHCによると、X線検査で骨折は見られなかったとのこと。ただアリーナを後にする際には固定ブーツと松葉杖を使っていたらしく、アービングが2~3日で再び試合に出場できるようになるとは思えない。
またハーデンの復帰についても現時点では情報がゼロ。ネッツはビッグスリーの内の2人を欠いたままバックスとの残りシリーズを戦わなければならなくなるかもしれない。
試合後、「アービングの怪我を受け、ハーデンの復帰を早める可能性はあるか」と記者会見で尋ねられたナッシュHCは、その選択肢を強く否定。「怪我の悪化や長期化のリスクを負ってまで、ハーデンの復帰を急かすつもりはない」とコメントした。
ネッツのビッグスリー体制は、ある意味怪我に対する保険的な部分もある。通常のチームなら、スーパースターが負傷離脱すれば絶望的な状況に陥るが、ネッツのビッグスリーなら1人がいなくなっても、残りの2人を中心にトップを狙える実力が十分にあり、レギュラーシーズンでもそれを証明してきた。
だが3人中2人が離脱となると、もうどうしようもない。ロスターデプスを犠牲にすることで実現できた“ビッグスリー”なので、当然ながら控え層は手薄。特に今のネッツには、ハーデンとアービングの代わりにポイントガードの役割を務められる選手がいない。
バックスとネッツのシリーズ第5戦は、現地15日にニューヨークで行われる。
ボックススコア:「NBA」