【第4戦】スモールラインアップのクリッパーズが再びマブスを圧倒、シリーズ2勝2敗のイーブンへ
シリーズの流れは完全に変わった。
ロサンゼルス・クリッパーズは現地30日、アメリカン・エアラインズ・センターで行われたダラス・マーベリックスとのシリーズ第4戦に106-81で快勝。敵地で2連勝をあげ、ファーストラウンドシリーズを2勝2敗のタイに持ち込んだ。
この日の試合は、ニコラス・バトゥームをセンターに置くスモールラインアップでスタートしたクリッパーズが終始マブスを圧倒。
ファイブアウトの布陣から1on1でリムを攻めまくって得点を積み上げ、前半を61-45でアウトスコア。後半に入ってからも主導権を手放すことなく、最後まで15点差以上を維持して余裕の勝利を収めた。
第4戦でのクリッパーズは、特にカワイ・レナードが引き続き圧巻のパフォーマンスを披露。FG15本中11本成功から29得点をマークと、アイソレーションからマブスディフェンスを蹂躙した。レナードの他には、ポール・ジョージが20得点、バトゥームが10得点、5リバウンド、4スティールと攻守で勝利に貢献している。
大敗を喫したマブスは、ルカ・ドンチッチが19得点、クリスタプス・ポルジンギスが18得点をマーク。シリーズ最初の3試合では38.0得点を平均したドンチッチだが、この日はFG24本中9本、さらにフリースロー5本すべてに失敗と、首の怪我の影響もあったのか、シューティングで精彩を欠いていた。
マブスの守備改善がカギ
ホーム開幕2連敗という苦境に立たされていた今季第1ラウンドでのクリッパーズだが、第3戦から戦略を的確にアジャストして見事シリーズを巻き返している。
まずオフェンス面では、メインのローテーションをフロアスペースと万能性重視のスモールラインアップへとシフト。また守備面では、可能な限りレナードにドンチッチをマークさせつつ、ドンチッチ以外の選手(特にティム・ハーダウェイJr.)を潰すことに専念した。
一方で第4戦でのマブスは、スリー成功が30本中わずか5本と絶不調。ただ敗因は、オフェンスの不振よりも、むしろディフェンスにある。
第3戦の後半に引き続き、この日のマブス守備はクリッパーズのスモールラインアップに対して為すすべ無し。ペネトレーションからインサイドを攻められまくった。
クリッパーズのオフェンスは決して複雑なものではなく、基本的にカワイ・レナードもしくはポール・ジョージのアイソレーションが軸。ただマブスにはクリッパーズのスターデュオに1on1でマッチアップできる選手がおらず、ドリブルで突破された際のヘルプやリム守備も弱い。だからといってダブルチームを仕掛ければ、キックアウトからオープンスリーを打たれる。
▼コーナーへのスウィングが絶妙
シリーズ4試合を終えた時点で、すでにクリッパーズはマブスの攻略法を見出している印象。対するマブスは、ドンチッチのコンディションも含め、不安要素が山積みだ。
クリッパーズとマブスのシリーズ第5戦は、現地6月2日にステイプルズ・センターで行われる。
ボックススコア:「NBA」