元キャブスHCのデイビッド・ブラット「NBAに復帰したい」
デイビッド・ブラットにとって、コーチングキャリア初のNBAへの挑戦は不完全燃焼に終わった。
モーションオフェンスの指揮で高い評価を得ていたブラットは、ユーロリーグ王者ならびに最優秀コーチ賞の肩書きを引き下げて2014年のオフシーズンにクリーブランド・キャバリアーズと契約を結び、1年目からリーグベストプレイヤーのレブロン・ジェイムスをコーチするというプレッシャーを背負いながら、チームをNBAファイナルに牽引。その翌2015-16シーズン前半も、キャブスは30勝11敗でイースト1位の好成績を収めていたが、1月下旬に「チームのビジョンと合わない」という理由から、突然ブラットHC解雇のニュースが発表された。
カンファレンス首位のチームがシーズン途中でヘッドコーチを解任するのは異例だ。選手たちとの間に深い溝があったなどと一部では報じられているが、いずれにせよ本来の力を十分発揮できずに終わりを迎えたという印象がある。
その後ブラットは、ニューヨーク・ニックスやサクラメント・キングス、ヒューストン・ロケッツなど複数のNBAチームからインタビューを受けたそうだが、最終的にターキッシュ・バスケットボール・リーグのダールシュファカと契約を結び、ユーロバスケ界に戻ることを選択。ただ今でも、世界最高峰のリーグで再び指揮をとるチャンスを諦めていない。ブラットは『エルサレム・ポスト』紙のインタビューで、「NBAに復帰したいと強く思っている」と今後の目標について話した。
「今年のNBAはコーチングの面で何も変化がなかった。私の目標は来年にヘッドコーチとしてNBAに戻ることだ。来年にヘッドコーチの入れ替えがあるかどうかは分からないが、その機会が訪れた時のために可能性を残しておきたい」
今夏のブラットは、2014年にユーロリーグ制覇へと導いた古巣マッカビ・テルアビブBCからも3年契約のオファーを提示されていたらしいが、NBAへの再チャレンジを念頭に置き、長期間の契約を全うできない可能性もあるため、トルコのダールシュファカと1年の再契約を結ぶことに決めたという。
なおNBAでは、2016年5月にグリズリーズがデイブ・イェーガーHCを解雇したのを最後に、1年以上にわたりヘッドコーチの入れ替えがない。1シーズンを通してHCの解任がゼロ件だったのは、1970-71シーズン以降初で46年ぶりとなる。
参考記事:「The Jerusalem Post」