ドレイモンド・グリーンがウォリアーズと4年1億ドルの延長契約へ
ゴールデンステイト・ウォリアーズが現地3日、オールスターフォワードのドレイモンド・グリーンと延長契約で合意した模様。ESPNのAdrian Wojnarowski記者が伝えている。
報道によると、契約内容は4年1億ドル。新契約は2020-21シーズンから始まり、グリーンの年俸は延長契約1年目の2220万ドルからシーズンごとに2400万ドル→2580万ドル→2760万ドルと上昇していく。
2019-20シーズンが契約最終年のグリーンは、そのまま2020年夏に無制限FAになると見られていたので、このタイミングでの延長契約はサプライズだ。もしグリーンがFAを選んでいたなら、最大で5年/2億360万ドル(ウォリアーズ以外なら4年/1億5090万ドル)の契約を手にできるチャンスがあった。
以下は、今回の延長契約と、来夏FAを選んでいた場合の年俸最高額を比較した表。上から「延長契約」、「GSWとのマックス契約」、「GSWとのスーパーマックス契約」、「GSW以外とのマックス契約」となっている(出典:@btoporek)。
1年目の年俸の差は1200万ドル以上(延長契約の初年サラリーは前年の年俸の120%が上限なのでこの金額)。
もちろんFAになったからといって、マックス契約が保証されるわけじゃない。特にグリーンは、卓越した守備力やプレイメイク力、リーダーシップ力を持っているものの、その一方で得点力が低いので、マックスサラリーに相応しいかどうか評価が難しい選手だ(しかも来夏には30歳になっている)。
ただ2020年のフリーエージェンシーは、レイカーズとの再契約が確実とされているアンソニー・デイビスを除くと、スタークラスの選手がほとんどいない不作の年になりそうなので、例えウォリアーズが二の足を踏んだとしても、どこかのチーム(ロケッツあたり)がグリーンにマックス契約をオファーしていた可能性は十分にある。
グリーンとしては、金銭面よりもウォリアーズ残留、そしてリスク回避を最優先にした部分はあると思う。NBAアスリートは常に選手生命を脅かす大怪我と隣り合わせ。契約最終年での怪我が原因で大型契約が駄目になるケース(アイザイア・トーマスなど)はいくつもある。実際にグリーンは、マックスプレイヤーだったデマーカス・カズンズがわずか1~2年でミニマムサラリーに甘んじるという厳しい現実をすぐ傍で目の当たりにしてきたわけだ。
今夏のウォリアーズはグリーンの他にも、クレイ・トンプソンと5年のマックスサラリーで再契約。これで少なくともステフィン・カリーが契約満期となる2022年までビッグスリーのコアを維持できる。
昨季のグリーンは66試合の出場で7.4得点、7.3リバウンド、6.9アシストを平均。スタッツ面ではここ5年間でワーストだったが、プレイオフでは例年通り攻守でギアを上げてトリプルダブルに近い数字(13.3得点、10.1リバウンド、8.5アシスト)を記録し、存在感を見せつけた。
▼プレイオフ・グリーン2019
なおグリーンが今の契約を結んだのは、初優勝した直後の2015年7月で、その契約内容は5年/8500万ドル。そこから4年連続ファイナル進出やDPOY受賞などグリーンが残してきた功績を考えると、ここ4年のリーグで最もコスパが高い契約だったと言えるかもしれない。
参考記事:「ESPN」