ジャズがサンダーを破り第1ラウンド突破
現地27日にビビント・スマート・ホーム・アリーナで行なわれたユタ・ジャズ対オクラホマシティ・サンダーのシリーズ第6戦は、終盤に1ゴール差を争う大接戦の末、ホームチームのジャズが96-91で勝利。2年連続でのウェスト準決勝進出を決めた。
オフシーズンにオールスターのゴードン・ヘイワードを失ったチームがここまで上がってくるなんて、誰に予想できただろう。
この日の試合は、崖っぷちの状態で臨んだサンダーが序盤の主導権を握る形となり、ラッセル・ウェストブルックが前半だけで15得点と好スタート。ジャズは、第1Qに司令塔のリッキー・ルビオをハムストリング負傷で失うトラブルに見舞われ、さらにサンダーが第5戦後半からアジャストしたスイッチディフェンスに対する突破口を見いだせず、第2Q残り3分で9点ビハインドを背負ったが、そこから3連続でスリーを沈めて、ハーフタイムまでに同点に持ち込んだ。
▼ラスとアダムスのアリウープは芸術的
ミッチェルとウェストブルックの一騎打ち
第3Qは両チームのエースがオフェンスをテイクオーバーし、ジャズはドノバン・ミッチェルが大爆発してピリオド22得点を獲得。対するサンダーは、ウェストブルックがピリオド20得点を獲得してチームを引っ張り、何とか試合を射程圏内にとどめることができた。
▼ミッチェルは後半開始から10連続得点
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▼ラスも第3Q20得点で応戦
ESPNによると、違うチームの選手が同じピリオドにそれぞれ20得点以上を記録したのは、過去20シーズンのプレイオフで今回が初めてだという。
第4Qもジャズが優勢のまま進み、残り時間7分でリードを13点に拡大。それでもサンダーは最後まで食い下がり、残り1分30秒にウェストブルックのスリーで1点差に巻き返すが、その直後にデリック・フェイバーズがミドルレンジのジャンプショットを沈めて3点リードとする。
ノーコール
第6戦のラスト1分間は、これ以上なくカオスな展開となった。ジャズはディフェンスリバウンドをまったく確保できず、サンダーに5~6連続でオフェンスリバウンドを許してしまうが、一方のサンダーも5回連続でセカンドチャンスのショットに失敗。2度のタイムアウトを経て、サンダーは6回目のトライで、ポール・ジョージが残り20秒に3Pショットのポンプフェイクでディフェンダーを浮かせてコンタクトを得るが、笛は鳴らなかった。
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十中八九でシューティングファウルとなるようなプレイだ。ジャズのクイン・スナイダーHCですらファウルだったと思った様子で、ゴベアがジョージにぶつかった瞬間にサイドラインで頭を抱えている。リーグの説明のよると、「ジョージがゴベアに向けて横に飛ばなければ、コンタクトはなかったはずなので、ノーコールと判断した」とのことだ。
まさかのノーコールにサンダーは取り乱し、すぐにファウルしてクロックを止めるべきところを、15秒ほど消化してしまう大失態。残り6秒でようやくファウルを受けたミッチェルは、2本のフリースローを沈め、それで決着となった。
▼ラスはファンと口論に
セミファイナルに駒を進めたジャズは、ミッチェルが38得点を記録。守備でウェストブルックとマッチアップしながら、負傷離脱したルビオの代わりにPGを務め、第3Qにはサンダーのスイッチディフェンスを見事に突破した。とてもルーキーとは思えないパフォーマンスで、シリーズを通してさらに一回り成長した気さえする。1年目からプレイオフでこれほどのインパクトを残したのは、1998年のティム・ダンカン以来かもしれない。
第1ラウンドでの敗退となったサンダーは、ウェストブルックが46得点/10アシスト、スティーブン・アダムスが16得点/11リバウンドで奮闘したが、他のビッグスリー2人が振るわず、ジョージがFG16本中2本成功の5得点、カーメロ・アンソニーが7得点。ジョージはチーム最多の8アシストを記録するも後半は無得点に終わり、守備で穴となっていたアンソニーは勝負所の大部分をベンチから見守る形となった。
ジャズはカンファレンスセミファイナルで1位シードのヒューストン・ロケッツと対戦。ロケッツはサンダーよりもはるかにスイッチディフェンスに優れたチームで、ミスマッチを突破された時のヘルプも非常に上手い。スナイダーHCがどんな風にオフェンスをアジャストしてシリーズに臨むのか楽しみだ。
ESPNによると、ハムストリング負傷のルビオは10日ほど離脱する可能性もあるという。シリーズ第1戦は、現地29日にヒューストンで行われる。
ボックススコア:「NBA」