ジェレミー・リンがホークスにトレード移籍
現地7月13日の真夜中にブルックリン・ネッツが大きく動いた。
ESPNのAdrian Wojnarowski記者によると、ネッツとアトランタ・ホークスの間でトレードが成立。ネッツはベテランPGのジェレミー・リン、2025年のドラフト2巡目指名権、2023年ドラフト指名のスワップ権利を放出し、ホークスから2020年のドラフト2巡目指名権(ブレイザーズ経由)、イーサイア・コーディーニャー(2016年2巡目指名選手で現在は海外)との交渉権を獲得したという。
さらにネッツは同日、デンバー・ナゲッツともトレードを成立。ネッツはアイザイア・ホワイトヘッドを放出し、ナゲッツからケネス・ファリードとダレル・アーサーの2選手と、2019年ドラフト1巡目指名権、2020年ドラフト2巡目指名権を獲得した。ナゲッツから譲渡される2019年ドラフト1巡目指名権は1位~12位の保護付きだという。
今回の一連のトレードにより、ネッツは将来的なアセットの獲得に成功した。
まず年俸1252万ドルのリンを放出して、来季サラリーキャップに約2300万ドルのスペースを確保。そうすることでナゲッツからファリードとアーサーの契約最終年サラリー(合計で約2100万ドル)を引き受けることが可能となり、その見返りとして2019年ドラフト指名権と2020年2巡目指名権を手に入れた。
これでネッツは来季の保証サラリー枠が14選手となり、残されたキャップスペースは260万ドル。アーリーバード権利を保有しているジョー・ハリスとはキャップを超えて再契約を結ぶことができる(2年/1600万ドルになる見込み)。さらに来夏には、ファリードとアーサーに加え、デマーレ・キャロルとアレン・クラブも高額契約が終わってFAとなるので(クラブは2019-20がオプション)、上手くいけばマックス契約用のスペースを2枠用意することも可能だ。
なお来季のナゲッツとネッツの成績次第ではあるが、ネッツがドラフトで全体20位以上の指名権を手にできそうなのは、2010年全体3位のデリック・フェイバーズ以来初(フェイバーズは2011年にデロン・ウィリアムズのトレードで放出)。ネッツは、NBA史上最悪のトレードの一つとも言われる2013年セルティックスとのトレード(ガーネット&ピアース)をはじめとした数々の失態からようやく解放される。
ホークスへの移籍が決まったリンは、昨季開幕戦で右ひざ膝蓋腱断裂の重傷を負い、シーズンを全休。2016年にホーネッツからネッツに移籍してからは怪我に悩まされ続け、2シーズンでわずか37試合の出場に終わった。
リンにとっては、ホークスがキャリアで7チーム目。ホークスでは期待の新人であるトレイ・ヤングのバックアップを務めることになりそうだ。ちなみにロケッツ時代(2013-14シーズン)にチームメイトだったドワイト・ハワードとは、移籍パターンがすごく良く似ている。
- ハワード: レイカーズ→ロケッツ→ホークス→ホーネッツ→ネッツ→ウィザーズ
- リン: ロケッツ→レイカーズ→ホーネッツ→ネッツ→ホークス
一方でナゲッツにとって今回のトレードは、来季ラグジュアリー税を回避するためのサラリーダンプ。ファリードは何年も前から放出がささやかれていたが、ようやく実現した。なお報道によると、ネッツから獲得したアイザイア・ホワイトヘッドはウェイブされる見込みだという。
参考記事:「ESPN」