ジャズの鉄人ジョー・イングスルが前十字靭帯断裂で残りシーズン欠場へ
1月から大きく調子を落としているユタ・ジャズにさらなる試練だ。
ジャズは現地1月31日、フォワードのジョー・イングスルが左ひざの前十字靭帯断裂により無期限でチームを離脱することを発表。今後数週間内に手術を予定しているらしく、プレイオフも含めた今シーズンの残りスケジュールを全休する見込みだという。
イングルスが負傷したのは、現地30日に行われたミネソタ・ティンバーウルブズ戦の第2Q中盤。ドライブからジャンプしようと踏ん張った際に膝を故障した様子で、しばらくフロアにうずくまった後にスタッフとチームメイトに支えられながらロッカールームへと下がっていった。
今季のイングルスは、45試合の出場で7.2得点、3.5アシスト、2.9リバウンドを平均。スリー成功率で自己キャリアワーストの34.7%とシューティングに苦戦しており、シックスマン賞の投票で2位に輝いた昨季(12.1得点/4.7アシスト/3P成功率45.1%)から大きく数字を落としている。
ただ、いくら本調子ではないとはいえ、イングルスのプレイメイクとシューティング、オンコートでのリーダーシップを失うのは大打撃。ジャズにとってイングルスは、10年代中盤のサンアントニオ・スパーズにおけるマヌ・ジノビリのような存在だと思う。
▼ベスト・オブ・イングルス
アイアン・マン
2014年にドラフト外からジャズと契約し、27歳でNBAデビューしたイングルス。これまでは怪我で長期間離脱したことが1度もなく、2014年以降の7シーズン半でリーグ最多となる590試合に出場している。安全衛生プロトコルによる離脱を除けば、欠場したのは605試合中わずか11試合のみだ(プレイオフでは5シーズン45試合すべてに出場)。
その間にイングルスは、ドラフト外選手としては異例の活躍ぶりでチームの再建に大貢献。創設48年目のジャズにおいて、通算スリー成功数で歴代球団1位(1071本)、アシスト数で5位(2213本)、スティール数で9位(544本)となっている。
前十字靭帯断裂からの復帰時期は、通常9~12カ月後。多くのトップアスリートたちを悩ませてきた怪我であり、NBAでも復帰後もずっと怪我前のパフォーマンスを取り戻せないまま終わった選手がたくさんいる。特に34歳のイングルスにとっては、今後の選手生命を大きく左右する怪我になりそうだ。
なおイングルスは今季いっぱいでジャズとの契約が終了。2022年オフに制限無しFAとなる。ジャズもしくは他のチームがイングルスにどんなオファーを出すのか注目したい。
参考記事:「NBA」