コービー・ブライアント、永久欠番式典にて「夢とは目的地ではなく旅路」
ついにコービーの『8』と『24』が、レイカーズレジェンドの仲間入りを果たした。
ロサンゼルス・レイカーズは現地18日、本拠地ステイプルズ・センターで行われたゴールデンステイト・ウォリアーズ戦のハーフタイムに、2016年に引退したコービー・ブライアントの永久欠番セレモニーを執り行った。
1球団で2つの番号が同時に永久欠番化という異例のケースとなったこの日の式典には、シャキール・オニールやラマー・オドムら元チームメイトをはじめ、ビル・ラッセルやカリーム・アブドゥル・ジャバーらバスケットボール・レジェンド、さらにはアレン・アイバーソンら同世代のライバルたちと、超豪華な面々が集結。球団社長のマジック・ジョンソンと球団オーナーのジニー・バスがコービーに感謝の気持ちを伝えた後、『8』番と『24』番がステイプルズ・センターのラフターに掲げられ、最後はコービーが約4分間にわたるスピーチで締めくくった。
▼Dear Basketball
▼セレモニー前のコービー
▼同じ1996年ドラフト組のアイバーソンとフィッシャー
まずコービーは、先人たちに感謝:
「今夜は集まってくれてありがとう。だけど今日という日は、私のユニフォームをステイプルズ・センターに掲げるためだけのものではない。以前からあそこに掲げられていたユニフォームのためのものでもある。彼らの存在がなければ、私が今日ここに立つことはできなかった。彼らは私をより高いレベルでプレイできるようインスパイアしてくれた。マジック、ジャバー、シャック、ベイラー、チェンバレン、グッドリッジ、ウェスト、ウォージー…」
続いて、次世代のレイカーズにもメッセージ:
「今日という日は、次世代、現レイカーズのロスターのためのものでもある。ステイプルズ・センターに掲げられたユニフォームに宿る魂を体現し、この球団を前に進めるためだ。そうすることで次の20年が過去20年よりも素晴らしいものになる」
– コービー・ブライアント
https://twitter.com/Lakers/status/942983492408786945
長年サポートを続けたファンやメディアにも感謝:
「今夜はファンたち、そしてメディアのためのものでもある。君たちがどれほど私の心の中にいたことか。朝の5時30分にトラックを走ったり、ワークアウトしたりしていた時も、君たちはそこにいた。『もうこれ以上は無理だ』と思うこともあった。そんな時は、君たちが私やチームに寄せる期待について考えた。それが私の背中を押してくれた。そのおかげで、早朝の800mや400m、100mランをやり遂げることができた。ありがとう」
さらに、60得点を記録した引退試合前日の妻とのエピソードも:
「それから私の家族、妻ベネッサへ。みんなはこの話を知らないだろう。あれは私の引退試合、ステイプルズ・センターでユタ・ジャズと戦った時のことだ。試合の前日、私の体は限界に達していた。帰宅した私はこう思った、『果たしてやれるだろうか?あと1試合残っているが、もう体が動かない』。すると彼女はこう言った、『見せたいものがある。あなたへのプレゼント、あなたのラストゲームのために』とね。そして彼女は、引退した先人たちのユニフォームを並べて見せてくれた。ベイラーにマジック、シャック、ジャバー…。それぞれ直筆のメッセージ付きのものだ。偉大なるビル・ラッセルやラリー・バードのものもあった。私はそれを見て、奮い立たねばならないと感じた。やるしかないと。ありがとう、ベネッサ。君は私にインスピレーションを与え続けてくれた」
▼00年代前半のNBAを支えた3人
そして最後は、娘たちへのメッセージ:
「最後に私の娘たちへ。お前たちは知っているはずだ。努力をすれば、十分な努力を重ねれば、夢は叶う。それは誰もが知っている。だが今夜ここでお前たちに理解してもらいたい。早起きして一生懸命努力することや、夜遅くまで起きて一生懸命努力すること。やる気が出ない、疲れた、頑張りたくないという時も、とにかくやり遂げること…。そういった時間こそが夢そのものなのだ。夢とは目的地ではなく旅路のこと。もしお前たちがそれを理解できれば、見えてくるはずだ。夢は達成するものではなく、夢は叶うものでもない。もっと素晴らしい何かが実現するのだ。お前たちがそれを理解できれば、私は父親としての仕事をこなせているということだろう」
– コービー・ブライアント
60得点の伝説を残した引退試合の時と同じく、コービーは「Mamba Out」と言ってからマイクをフロアに置き、拍手喝采の中でスピーチを終了。その後、試合は延長戦に突入したが、コービーは決着を見守ることなく、OTが始まる前にスタジアムを後にした。
▼偉大な何かを達成した男の顔
https://twitter.com/BleacherReport/status/942983328109494273
▼伝説のセンター
▼この日のステイプルズ・センターの外は「コービー・ランド」
“コービー・ナイト”に最もコービーらしいパフォーマンスを見せたのは、ロードチームのケビン・デュラントだった。
この日のデュラントは、プレイメイクや守備でオールラウンドに活躍し、カリーとグリーン不在のウォリアーズを引っ張ったが、その一方で第1Q~第4Qのレギュレーションを通してフィールドゴール25本中6本成功とシューティングが振るわず。だが延長戦に入ると一気にギアを上げ、OT5分間で2本のスリーを含む4本中4本のショットを沈めて12得点を獲得。同点で迎えた残り時間6秒には、ロンゾ・ボールの上から決勝点となるプルアップ・ジャンパーを決めて、チームを勝利に導いた。
https://twitter.com/warriors/status/943010618793115649
デュラントは試合後、コービーの永久欠番セレモニーについて、「モチベーションになった」とコメントしている。
「(セレモニーを見た後に)最初に口にしたのは『僕も背番号を変えようかな』だったね。冗談は置いといて、本当に素晴らしいセレモニーだった。このまま努力を続ければ、キャリアを終える時に、もしかすると僕もあんな風に讃えてもらえるかもしれない。そう思わせてくれた。僕のような選手にとってモチベーションになったよ」
– ケビン・デュラント
▼KDとコービー・パペット
参考記事:「ESPN」