NBA選手たちが語る、コービー・ブライアントのワーカホリックなエピソード
「あの男ほどの努力家はいない」、コービー・ブライアントと関わったことのある人間は口を揃えてそう言う。彼が世界の頂点まで登りつめられた理由は、バスケットボールにかける情熱が誰よりも大きかったからだと。その努力の凄まじさは、共に第一線で活躍してきたNBAプレーヤーたちが一番良く知っているはず。
そこで今回は、米スポーツメディアが過去に掲載したインタビュー記事などから、コービーのバスケ中毒エピソードをいくつか抜粋してみた:
1.ケビン・デュラント、五輪代表チームでの思い出
2008年、ラスベガスで行われた北京オリンピック代表チームの合宿にて:
「その日はチーム練習が休みだった。でもジムが開いていたので、僕とジェフ・グリーンはシュートを打ちに行くことにした。練習場行きのバスに乗っていたのは、僕らの他にコービーだけだった。それがすべてを物語っていたよ。コービーはすでに世界最高のプレイヤーにもかかわらず、もっと上達しようと常に努力しているんだ。それで僕もグリーンもやる気にさせられた」
「彼は一人で黙々とシュートを打ち続けていた。練習が終わるころには、コービーがさらに上達していたことが僕にはわかったんだ。あの出来事は、僕とグリーンにとって非常に大きなインスピレーションになったよ。」
by ケビン・デュラント(ソース:ESPN)
2.ジョン・セレスタンド、1999-00年レイカーズでの思い出
「この男がベストだ」って最初に思い知ったのは、確かプレシーズンの時期だった。ある日ウィザーズとの試合で、コービーは右手首を骨折したんだよ。彼は常に誰よりも2時間は早く練習入りする男だった。僕はそのことが嫌で仕方がなかった。だって高校・大学時代を通して、僕はずっと練習1番乗りだったからさ。それに当時のコービーは練習場から35分くらいの所に住んでたんだけど、僕はたったの10分だったからね。
こんなことを言うのは恥ずかしいけど、僕はコービーが骨折した翌日に練習に行くのが楽しみだった。今度こそ奴が最初に来るわけがないと思っていたし、もしかすると顔すら出さないんじゃないかと思ってたからね。
でもトレーニングルームを横切ったとき、ドリブルの音が聞こえた。身の縮む思いがしたよ。いやいや、ありえない!コービーが右手にギブスをはめたまま、左手でシュートやドリブルの練習をして汗をかいてたんだ。
by ジョン・セレスタンド(ソース:Viral Hoops)
3.ロン・アーテスト(MWP)、レイカーズ移籍当時
「俺がコービー・ブライアントを大好きな理由を教えてやる!俺が朝の6時45分に練習入りすると、ブラック・マンバは5時30分からそこにいるんだ!」
by ロン・アーテスト(ソース:OC Register)
4.ジェイソン・キッド、五輪代表チームでの思い出
コービーは素晴らしかった。まるでプレイオフ第7戦のような気迫で練習するんだ。「俺がエースだ」ということを、練習の度に代表チームの皆に知らしめようとしていた。
by ジェイソン・キッド(ソース:ESPN)
5.ゲイリー・ペイトン、若き日のコービーとの会話
当時のコービーは若くて、大人げない部分もいくつかあった。でもこれだけは言える。コービーは俺に向かって豪語したことを、ひとつ残らず実現させている。あれは一緒にバスに乗っていたときだった。奴は俺にこう言ったんだ、「まずレイカーズのナンバーワンスコアラーになる。5~6回はNBA制覇してやる。そして俺は世界一のバスケットボールプレーヤーになる」ってね。それを聞いて俺は「はいはい、何でもいいよ」って感じだったね。すると奴は俺の目をじっと見つめながらこう言った、「俺はNBAのウィル・スミスになる」。
by ゲイリー・ペイトン
▼オラジュワンからドリームシェイクを学ぶコービー
6.デロン・ウィリアムス、2008年
僕はコービーのゲームに大きな敬意を払っている。彼は僕がこれまで会った人の中で最高の努力家。とにかくすばらしい競争者だよ…。彼が練習している姿をみるだけで、僕はインスパイアされてしまう。
実際にすぐ側で見てみないと、彼の本当の凄さは決してわからない。例えば、相手チームの誰かが絶好調だとすると、コービーはその選手を自分でマークしたがる。いつでも最も難しい仕事を自ら欲するんだ。きっと生まれつきの性格なんだろう。
by デロン・ウィリアムス(ソース:LA Times)
7.テイショーン・プリンス、五輪代表チームでの思い出
コービーからたくさんのことを学んだ。忍耐力とか、そういった類のものをね。彼は究極の競争者だ。いつでもジムにいる。常に上達したがっている。常に特訓を求めている。試合でコービーを相手にするときは、覚悟を決めて臨まなくてはならない。彼は常に足を動かし、フィジカルなプレーを仕掛けてくる。彼と対戦する時は、気を抜ける瞬間などない。
by テイショーン・プリンス(ソース:ESPN)
8.ロバート・オーリー、コービーと過ごした時間について
僕はコービーと一緒にプレーしていたことをいつも人に自慢している。恐らくコービーは、ジョーダンとオラジュワンを除けば、歴代最高の選手だ。コービーを偉大たらしめるのは、彼の努力に他ならない
努力と時間を費やさない限り、君はどこにもたどり着けない。そのことを子供たちがコービーを通して学んでくれればと思う。それがコービーだから。彼は膨大な時間と努力を費やしている。みんな知らないんだ。コービーは必ず1番最初に練習に来て、1番最後に帰る。すでに世界一のプレーヤーなのにもかかわらずだ。
by ロバート・オーリー
9.カロン・バトラー
コービーのチームメイト、同僚としてレイカーズで1年間過ごせたことに感謝している。彼の隣りでプレーして、彼のレベルに達するにはどれほどの努力が必要なのかを知れたことは、僕のキャリアを通して最高の出来事かもしれない。あの頃に学んだことを糧にしたおかげで、僕はウィザーズに移籍してから活躍することができた。
徹底した努力だ。彼は毎朝早くにジムに入り、シュートを打っている。練習後は筋トレをこなして、オフシーズンにもきっちりとトレーニングする。試合の映像を見て研究し、相手の癖を分析して、盗めるところはしっかり盗む。彼と共にゲームを勉強して、僕はたくさんのことを学んだ。
by カロン・バトラー(ソース:Dallas News)
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コービーは先日のインタビューで、「(怪我の状態は)100%回復した」と語った。ぜひ来季の復活劇に期待したい。
Thumbnail by Jk*** via Flickr
参考記事:「viralhoops.com」